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シラン町の野菜の里

2003/7/6 社会

国際色豊かに栽培競う

 マカティ市から高速道サウス・スーパー・ハイウエーを南下し、カルモナ料金所を出てタガイタイ方面に走ると両脇にパイナップル畑が広がってくる。国道をさらに走るとカビテ州シラン町に入り、舗装道路のアギナルドハイウェーに出る。ハイウェー沿いには、首都圏のレストランやホテルなどにブロッコリー、カリフラワーなどを供給するハウス栽培農家が軒を並べており高級野菜の一大供給拠点となっている。

 野菜の供給拠点としてはバギオ周辺のベンゲット州が有名だ。キャベツやブロッコリーなど首都圏に供給する高原野菜の約八割をこのベンゲット農家が供給し、「比のサラダボール」と称されてきた。しかし、レタスやチェリートマト、バジルやローズマリーといった特殊な高原野菜や香辛料の多くが、ここカビテ州シランのハウス栽培農家によって栽培されている。

 標高七百メートルを超すタガイタイに近い首都圏近郊の町は比較的冷涼な気候が幸いして一九八〇年代からこのようなハウス栽培が始まったと言われている。

 そのうちの一つ、イスラエル人が経営するネタフィム農場を訪ねた。同農場は約五ヘクタールほどの敷地に大型ビニールハウスが六棟ほど並んでいる。あるハウス内では、自動噴霧器や扇風機で室内温度が一定に保たれ、土からではなく栄養素を混ぜた水をチューブ通じてハイブリッド・トマトに供給するという近代的な設備を備えていた。この農場で四年間、スーパーバイザーとして働いているジュリエット・ロチェさん(35)は「ルスタンやユニマートなど大手スーパーに卸している。特にレタスが人気で、週に一トンほどさばける」と話す。日本のチシャに似たサラダ用の「ロロ・ロサ」や「グリーン・アイス」など八種類のレタスを紹介してくれた。

 このハイウェー沿いにはこの農場と同じように様々な国籍のオーナーがハウス栽培に乗り出している。現地でもパイオニアと言われている「オールド・カノ農場」を経営する高齢の米国人のほかに、在比仏大使館員向けに人差し指サイズの豆、フレンチ・ビーンズを専門に作っているフランス人、マッシュルームを専門に作っている日本人、さらに韓国食材店向け野菜を扱う韓国人など、実に国際色豊かだ。

 オスカール・パドゥアさん(65)はタガイタイ市に近い同ハイウェー沿いの二千平方メートルほどの農地で有機野菜を作って、路上販売も行っている。「この辺りで、本物の無農薬野菜を作っているのは、私の所とフランス人の経営する農場ぐらい。ハウス栽培のレタスはまさに温室育ちで、見た目はきれいだが、有機で育てたものに比べて味が淡泊だ」と自信たっぷりに語った。(澤田公伸)

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