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やみに葬られる真相

2002/9/23 社会

誘拐犯3人射殺事件

 多くのフィリピン人は、たとえ有罪を宣告されてなかろうと、逮捕されてなかろうと、犯罪者が警察に射殺されることを気に掛けたりはしない。いつも自分の子どもの安全を心配して、安心してレストランで食事を楽しむことさえできない時勢に、悪人が殺されることを気に止めはしない。最近起きた犯罪容疑者の射殺事件で、国民から抗議の声はほとんどなかった。射殺は正義への近道なのだ。しかし、残された問題がないわけではない。

 射殺は確かに「社会の害虫」を取り除くが、一方で犯罪行為への警官や軍人の関与について証言できる人物の口をふさぐことになる。これが非合法的な手段に伴う最大の「リスク」だ。また、乱用されがちで、歯止めが掛けられないと逆に、貧弱な犯罪摘発態勢をさらにむしばむ可能性がある。先日、カビテ州で三人の誘拐犯が射殺されてから、このような懸念の声がより高まってきた。

 三人は通常の容疑者ではなかった。二人は元海兵隊員で、一人は国家警察の拘置所から数ヶ月前、身代金目的の誘拐事件を頻発させている反政府グループ「ペンタゴン」の創設者とともに脱走した人物。さらに、三人は現政権の転覆をたくらんでいたとされる軍・警察の青年幹部団体「青年士官連合」(YOU)幹部が殺害された事件にも関与していた。この幹部の父親によると、殺害を自白した海兵隊軍曹の殺し屋は、事件前に三人が幹部宅を偵察していたと証言したという。

 もちろん、三人と警察の衝突はまったく合法的なものだった可能性もある。しかし、三人すべてが射殺され、国民が知ることができるのは警察側の話だけだ。そして、YOU幹部殺害事件の真相は、完全にやみに葬られてしまった。(20日・スタンダード)

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