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戦略的パートナーに格上げ 比印首脳会談で合意

2025/8/7 政治

インド訪問の大統領がモディー首相と会談。両国関係を「戦略的パートナー」に格上げ

国賓としてインドを訪問しているマルコス大統領は5日、モディー首相と会談した。それに際し、両政府は比印関係を「戦略的パートナー」に格上げする共同宣言を交換した。フィリピンにとって戦略的パートナー国は日本(2011年)、ベトナム(15年)、オーストラリア(23年)、韓国(24年)に続く5カ国目。両国外相名で出された共同宣言では、中国の主張を全面的に退けた2016年南シナ海仲裁裁判を「最終的かつ拘束力があり、国際法に従い紛争を解決する基礎」と強調、南シナ海での「威圧的かつ攻撃的な行為」に懸念を表明。両国の政治、防衛・安全保障、海洋協力をはじめ、科学技術、貿易・投資など幅広い分野での協力の促進がうたわれた。同時に2025年から29年までの戦略的パートナー行動計画も相互承認。それを含め、両政府は計13本の条約や合意文書に署名した。

 共同声明には、軍事訓練および軍主間交流を制度化し、3軍間協力に重点を置くことを明記。さらに、海洋状況把握(MDA)の強化、造船に関する協力などを進めるとともに、印・東南アジア諸国連合(ASEAN)間の海上演習、インド主催の多国間軍事演習「ミラン」、マルコス政権で始まった海上共同活動(MCA)など、多国間演習へ積極的に参加することが明記された。

 それに伴い、比印の陸・海・空軍間の幕僚対話に関する実施要領、沿岸警備隊間の協力強化に関する実施要領に署名した。

 防衛装備協力に関しては、「防衛装備の共同開発・共同生産で協力し、防衛生産の自立という目標を達成する」ための共同の取り組みを「奨励する」という文言が共同宣言に盛り込まれた。インドは昨年、超音速巡航ミサイル「ブラモス」を比に納入している。

 

 ▽PTA早期締結へ

 経済協力に関しては、両国間で特定品目の関税を引き下げる特恵貿易協定(PTA)を早期妥結することで合意。また、原子力の平和利用に関する協力、コメ生産・養殖業など農漁業分野の協力を拡大することで一致した。

 観光協力に関しては、モディ首相がフィリピンに対し無料ビザを発給すると発表した。フィリピンは6月にインド観光客に対する14日間の無査証滞在を許可している。

 そのほか、刑事事件に関する相互法的支援条約、受刑者引き渡し条約、両国観光省間の観光協力プログラム(2025~28年)、デジタル技術に関する協力覚書などが取り交わされた。

 

 ▽父の足跡たどる

 共同記者会見でマルコス大統領は、「私はこの偉大な国を訪問した5人目のフィリピン大統領となった」と説明。インドを初めて訪問したフィリピン大統領は、1976年に訪印した父・故マルコス元大統領だったとし、「父の足跡をたどる」と述べた。 (竹下友章)

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