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比への防衛支援で一致 比日米豪防衛相会談

2025/6/2 政治

シンガポールで4回目の比日米豪防衛閣僚会談。日米豪での比防衛能力構築支援や4カ国情報共有の枠組み作りで一致

アジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)出席のためにシンガポールを訪れていたテオドロ国防省は1日までに、中谷元防衛相、ヘグセス米国防長官、マールズ豪副首相兼国防相らと相次いで会談した。31日には4回目となる比日米豪の防衛相会談が開かれ、覇権主義的動きを強める中国を念頭に、日米豪が協調して比の防衛能力向上を支援するとともに、4カ国の軍事情報共有の枠組み作りを進めることで合意。さらに、4カ国の防衛閣僚・担当者間の会合を定期化する方針で一致。「スクアッド」と通称されている比日米豪の安保対話の定例化・公式化が進んだ。

 比日米豪防衛相会談の後には、共同声明が出された。ワレス空軍基地(ラウニオン州)の日本製警戒管制レーダー、バサ空軍基地(パンパンガ州)の米国支援による航空領域センサー、豪州による比防衛インフラへの協力が、「南シナ海での比国軍による航空状況把握能力を高めることに、集団的に寄与してる」とし、3カ国の比への防衛協力の優先対象について一層協調して行うことに合意。

 比米間で昨年、秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)が締結されたこと受け、日本のほか、豪州も同協定に向けた協議を進めることを確認した。その上で4者は、こうした取り組みが、「統合された(情報)ハブの確立も含めた、より大きな情報共有を促進する」ことで一致した。

 さらに、比のサイバー安全保障・防衛の強靭(きょうじん)化のために共同で投資することで合意。「悪意ある主体」による国家安全保障への脅威に対抗するための協力の重要性を確認した。

 また、南・東シナ海などでの作戦上の連携・調整の重要性を確認。南シナ海で一昨年から行われている海上共同活動(MCA)の頻度・範囲、および参加国を増大させることで一致。共同の情報収集・警戒監視・偵察活動を計画していくことで合意した。

 比日防衛相会談では、テオドロ氏が冒頭、「抑止力を高め、望まない行動には反対をしなくてはならない」と強調。会談では、日本の国会が比日の部隊間協力円滑化協定(RAA)を承認した際に実務を行う担当官を指名し、省レベル、軍・自衛隊レベルで統合訓練を実施することで一致。政府安全保障能力強化支援(OSA)については、作業部会による進ちょく状況を確認した。

 テオドロ氏は会談後に記者団に対し、「スクアッドの協力を比に収れんさせることが焦点だった。また、他の同志国を入れる可能性も議論した」と報告。さらに、「南・東シナ海でのルールに基づく秩序という共通の取り組み、そして中国の悪意ある影響から国民を守る取り組みへの日本のサポートに感謝する」と述べた。

 テオドロ氏は他にも、欧州連合(EU)、英、仏、スウェーデン、リトアニア、シンガポールの国防相・安保担当者と会談。EUとは「構造化された安全保障対話」を推進することで合意。フランスは共同軍事活動の促進と訪問軍地位協定(VFA)の交渉の前進を約束。英国から今後の海軍の派遣と防衛教育の交流促進の申し入れがあり、スウェーデンとは今後の軍艦寄港と共同軍事訓練の拡大のほか、偽情報工作への対応を議論した。リトアニアとはサイバー防衛、防衛技術協力の推進を協議。シンガポールとは比国軍特殊部隊のシンガポールでの訓練参加などを申し合わせた。(竹下友章)

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