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「勝利宣言」の内実

2002/8/12 政治

合同演習を終えて

 半年間にわたる比米合同軍事演習が七月末で終了した。フィリピンを離れる米軍はイスラム過激派、アブサヤフ撲滅作戦での勝利を宣言。アロヨ大統領も七月二十二日の施政方針演説で「アブサヤフの脅威はなくなった」と同調した。国軍幹部もマレーシアのシパダン島やパラワン州のリゾートで起きたような誘拐事件の再発は有り得ないとしている。

 もちろん彼らの発言が正しいことを期待したい。米軍部隊による半年間の訓練で比軍の戦闘能力は確実に向上したに違いない。米軍が残した諜報や通信用の機器は国軍のゲリラ追跡能力を高めるのに役立つだろう。米兵講師から米軍の規律の高さも国軍兵士に受け継がれたはずだ。

 国軍によると、演習中に少なくとも百五十人のゲリラが国軍の攻撃を受けて死亡、多数のアブサヤフ支持者が逮捕された。幹部の一人アブサバヤ容疑者は船上で国軍兵士の銃撃を受けて死亡、残りの幹部は逃走している。

 しかし、われわれは米軍や政府による「勝利宣言」とは裏腹に、アブサヤフが実は勢力を温存しており、ただ隠れているだけではないかと懸念している。シマツ国軍参謀総長は先日、アブサヤフが十一、十二歳の少年を含む「新世代」のゲリラの訓練を行っていると明かして国民を仰天させた。「『新世代』のゲリラはより過激で力強く、近代的」と述べている。

 同参謀総長は「対策のために国軍部隊をバシラン島に残す」と話しており、近い将来、より敵意に満ちたゲリラとの戦闘が始まる可能性が高い。これを「勝利の成果」とでも言うのだろうか。アブサバヤ容疑者が本当に死亡しているのであれば、天国で大喜びしているに違いない。(8日・マラヤ)

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