
第3弾は「クライマックスが何度も来るような作品」

会見には脚本・演出の

第3弾公演について、山崎は「1と2のよさが全部凝縮されているような第3弾になった」と自信を見せる。「クライマックスが何度も来るような作品になっていて。ダンス、アクション、歌、スポーツ、ショータイム……。お客様も劇場や世界観に巻き込むような演出もいっぱい入っています」とアピールした。ゴンについて尋ねられた西山は、「ゴンはとっても元気で、自分も元気なので、それをよく出せるキャラだなと」と共通点を語る。そんな西山を見守っていた阿久津は、見どころを「(キルアは)1弾、2弾よりめちゃくちゃ激しく動いています。キルアの身軽さは稽古場からいろいろ研究したので、ぜひ見て爽やかな気持ちになってほしい」と伝える。
「山崎大先生」と山崎を称える丘山は、その表現力を絶賛。「皆さんもゾクゾクしに来て。ストレスが溜まってる人ほど来てほしいって思います」と述べた。原作ファンだという坂東は、ゲンスルーを「プレイヤー狩りの凶行に屈さず、平和的な方法でゲームクリアを目指しております」とゲンスルーらしく偽りの紹介をして笑いを誘う。話の最中に、爆弾を設置するような仕草で高橋の肩に手を置くと、高橋は怯えた様子で坂東との距離を取った。
ヒソカとリンクした丘山晴己、電車でも役になりきる

グリードアイランドのカードで、好きなものを問う質問には、阿久津が「リスキーダイス」と即答する。一方坂東は、「ちょっと住んでるところからお稽古場の距離があったもんで、リーブが欲しい」と堅実なコメント。山崎は「まだまだいろんな地域の方にも観ていただきたいと思っているので、カンパニー一同、東京公演が終わったら、アカンパニーで大阪に向かおうと思っています」と大阪公演をしっかりと宣伝する。西山はカードがたくさんほしいという理由でクローン、高橋は不調の日に備えて大天使の息吹と答える中、丘山はQUOカードと冗談めかして回答し、会場は笑いに包まれた。

会見からヒソカのような怪しげな振る舞いをする丘山に「役になりきっているのか、丘山さんがヒソカに似ているのか」という質問が飛び出す。すると「はまっちゃったっていう形ですかね。僕の中にヒソカ先生の引き出しがリンクしちゃったって感じです。普段から電車に乗るときもこういう形で立ってます」と言いながら華麗なポージングを披露した。坂東には、歌舞伎と舞台での役作りのアプローチの違いについて質問が投げかけられる。古典は先人たちが築き上げたものを踏襲するのが基本だとしつつ、「キャラクターも、原作という先生がいるので、その中に含まれているエッセンスを読み解いたり、抽出して自分のものにしていく」と答え、どちらも通じる部分があるのだと語った。
「この作品で1と2を超える」と意気込む山崎彬

山崎は1弾、2弾の公演について、「とにかくどこも取りこぼさないという形でやってきました」と話す。今回も細部までこだわったそうで、「ドッジボールの場面だとか、ゲンスルーとゴンのバトル、キルアのヨーヨーだとか、そのあたりはそのまま出てくる」と再現度をアピール。そして「この作品で1と2を超えようという思いで作らせてもらって、そう胸を張って言えるものができたなと思っています」と晴れやかに笑った。
最後のキャスト陣からの挨拶では、坂東が「『アカンパニーオン、銀河劇場』していただいて、もちろんおひとりの方も『マグネティックフォースオン』をゲンスルー、ゴン、キルア、ビスケ、ヒソカなりにしていただいて、そして『面白かった、もう1回観たい』と思っていただけたら、『リターンオン』ということでよろしく」とカードの効果にちなんだ宣伝を披露する。高橋はゴンのまっすぐさに触れ「なんて清い心で、なんて心打たれるんだろうって、すごいウルっと来る部分もたくさんありますので、ぜひ劇場に運んでいただいて、浄化していただけたら」と伝える。そして「待ってるだわさ!」とビスケのように明るく笑顔を振りまいた。最後に西山が「稽古でも何回も試行錯誤する部分があったり、キルアや(脚本・演出の山崎)彬さんと一緒に作り上げて。みんなと一緒にやったからこそ、本当にすごいものができたと思うので、自信を持って演じたいなと思いました」と意気込みを述べ、会見を締め括った。
劇場はゲームの世界に、ゲンスルーの起爆シーンでは火花も

会見後にはゲネプロがスタート。ゴンとキルアがツェズゲラたちと出会い、グリードアイランドに挑戦するための審査の様子が展開される。グリードアイランドの世界に入ると、ピコピコというゲーム音楽のような楽曲が流れ、劇場は一気にRPGのような世界観に早変わり。ゴンたちは続々と現れるプレイヤーに戸惑いながら、グリードアイランドの世界について学んでいく。「ブック」と唱えて現れるバインダーや、カードで出現するアイテムも再現された。

マサドラへの道中、ビスケがゴンとキルアを宝石の原石に例えるシーンでは、ビスケがアイドルのような楽曲をかわいらしく歌唱する。その後ゴンとキルアはビノールトとの戦いや、ビスケから課される修行に挑戦。モンスターカードの収集シーンでは、個性的なモンスターとの戦いも、映像の投影や人形を駆使して表現される。“硬”の修行ではロックな楽曲を、ビスケが力強く歌い上げる。ゴンとキルアが成長するにつれ、加速する組み手も見事に演じられた。そしてゲンスルーがプレイヤーたちに付けた爆弾を起爆するシーンへ。爆破音とともに火花が上がる大迫力の演出が展開される。ゲンスルーたちの不気味な笑い声が響く中、第1幕は終了した。
白熱のドッジボールやゲンスルーとの激闘が展開する第2幕

第2幕はキルアのハンター試験からスタート。あっという間に合格して帰ってきたキルアと、彼を迎えたゴンはお互いに新たな必殺技を披露し合う。その後、ゴン一行が次々とカードを収集していくさまが軽快な音楽とともに展開された。そして“一坪の海岸線”を手に入れるためのイベントでは、現れたレイザーが力強い歌声を披露する。強敵・レイザーを前に、一度撤退したゴンたちがヒソカと出会うシーンになると、水浴びをしていたヒソカが裸姿で登場。肉体美を見せつけながら、怪しげな楽曲を華麗に歌い踊った。

仲間にヒソカ、ツェズゲラ、ゴレイヌたちを加えたゴンたちは再びレイザーに挑む。ドッジボールが始まると激しいボールでの応酬が始まり、それぞれが念を披露。ゴレイヌのホワイトゴレイヌ、ブラックゴレイヌが登場し、ヒソカのバンジーガムが伸びる様子も演出で再現される中、戦いは苛烈さを増していく。キルアが支えたボールをパンチで飛ばすゴンも力強く演じられた。そしてレイザーのボールをゴン、キルア、ヒソカの3人で受け止めるシーンになると、再びレイザーが歌唱。高らかな歌声が劇場に響く。最後にヒソカがボールを返すシーンでは、ボールの威力が迫力の音響と演出で再現され、激しい試合は決着する。レイザーとの戦いを終えたゴンたちは、その後ゲンスルーたちとの激闘へ。そしてグリードアイランド編の結末までが描かれ、舞台は幕を下ろした。
大阪会場の一部公演チケットは、ローソンチケットで販売中。先着順の一般販売となるため、気になる人は早めのチェックを。なお東京公演のチケットは完売している。
「HUNTER×HUNTER」THE STAGE 3
2025年5月17日(土)~25日(日)
東京都 天王洲 銀河劇場
2025年6月7日(土)~15日(日)
大阪府 SkyシアターMBS
スタッフ
原作:冨樫義博(集英社「週刊少年ジャンプ」より)
脚本・演出:山崎彬
音楽:坂部剛
振付:當間里美
美術:田中敏恵
照明:加藤直子
音響:増澤努
音響効果:天野高志
映像:O-beron inc.
衣裳:川島加菜果
ヘアメイク:糸川智文(STRINGS)
特殊造形:林屋陽二
アクション監督:加藤学
歌唱指導:宗田梁市
稽古場ピアノ:伊藤辰哉
演出助手:木下マカイ、藤嶋恵
舞台監督:今野健一(KeyStones)
宣伝美術:江口伸二郎、奈良友里花(SENRIN)
宣伝写真:三宅祐介
制作協力:アプル
制作:ネルケプランニング
原作協力:週刊少年ジャンプ集英社(「週刊少年ジャンプ」編集部)
協賛:ローソンチケット
協力:一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会
主催:『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 3製作委員会
出演
ゴン:西山蓮都
キルア:阿久津仁愛
ビスケ:高橋愛
ノブナガ:
フェイタン:
マチ:秋野祐香
フィンクス:
シャルナーク:
シズク:
コルトピ:
ツェズゲラ:
ゴレイヌ:
レイザー:
ヒソカ:丘山晴己
ゲンスルー:坂東巳之助
※山崎竜之介の崎はたつさきが正式表記。
(c)P1998-2025・『HUNTER×HUNTER』THE STAGE 3製作委員会
提供元:コミックナタリー