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トップに聞く 食材調達に関し厳格な基準 「焼肉きんぐ」、海外初出店

2025/9/13 経済
(左)インタビューに応じるテン社長。(右)「焼肉きんぐ」MOA店の外観

日本のチェーン店「焼肉きんぐ」が8月26日、首都圏パサイ市のモール・オブ・アジアに海外第1号店を開業

日本最大級の焼肉チェーン「焼肉きんぐ」が8月26日、首都圏パサイ市のモール・オブ・アジア(MOA)に海外第1号店を開業した。運営は「スパイス・モノガタリ・フードコーポレーション」(エリック・テン社長)。愛知県豊橋市に本社を置く「物語コーポレーション」とのフランチャイズ契約による出店で、フランチャイジーは100%フィリピン資本の新設法人だ。

 テン社長はまにら新聞の取材に対し、「SMモールと緊密に連携し、最適な区画があれば積極的に出店する」と述べ、すでに2号店をSMノースエドサで準備中であることを明かした。さらに、同社が展開する別ブランド「肉肉大米(Niku Niku Oh! Kome)」の新店舗計画も進行中で、来年第1四半期までに「肉肉大米」4店舗、「焼肉きんぐ」2店舗体制の確立を目指す。

 テン社長によると、同店の強みは食材調達に関し厳格な基準を徹底していることだ。米・しょうゆ・たれ類は日本から、牛肉は主に米国から輸入し、地元調達は果物・野菜・鶏肉に限る。「焼肉用の牛肉は物語コーポレーションが承認した供給元に限定している」とし、品質担保を最優先に据える。関税・検疫・物流コストの負担は重いが、「品質を守るための必要な投資」であるとした。

 料金制度は「セレクトグリルコース」が999ペソ。時間制限は日本では90分だが、現地文化に配慮し120分に設定。「利益率は薄いが、家族や友人とゆっくり楽しんでほしい」と言う。開業にあたっては、日本から料理長や研修チームが数週間派遣され、味とオペレーションを細部まで調整した。

 現地対応として、米の提供方式や味付けに現地の嗜好を取り入れ、「片目で日本の品質を、もう片目でフィリピン市場を見る」と述べた。スパイシーハラミやマイロトーストなど現地限定メニューを投入し、受容性の検証を進めている。

 ▽テン社長の多ブランド展開

 エリック・テン社長は、「焼肉きんぐ」「肉肉大米」以外にも多数のレストランチェーンをフィリピンで展開している起業家。2010年に「マンゴーツリー(Mango Tree)」を皮切りに、タイ料理レストランを13店舗に拡大し、その後、寿司チェーン「Genki Sushi」、寿司・しゃぶしゃぶの「Sen―Ryo」、中華系料理チェーンなど、多岐にわたる国際ブランドを展開してきた実績がある。同時に、レストラン業界団体「Resto PH(Restaurant Owners of the Philippines)」の会長として、業界全体の発展にも貢献する。

 このような多業態経営とネットワークを背景に、「焼肉きんぐ」フィリピン展開も力強く推進されていることがうかがえる。

今後の展開として、テン社長は「焼肉に限らずラーメンなど他ジャンルも視野に入れている」と語っており、物語コーポレーションが全国展開する「丸源ラーメン」「二代目丸源」「熟成醤油ラーメン きゃべとん」、寿司・しゃぶしゃぶ「ゆず庵」、お好み焼き「お好み焼本舗」、カフェ「果実屋珈琲」などさまざまな業態について、物流や物件候補などの条件を見極めながら段階的な導入を模索している。

 フィリピンの外食市場は中間層の拡大を背景に競争が激化。価格に敏感な層も多いが、「良い食材・良い環境」に対して喜んで支払う層も確実に増加中だ。こうした市場環境下で、「焼肉きんぐ」が日本品質と現地適応の両立を図りながらどこまで受け入れられるかが、今後の試金石となる。モール・オブ・アジア公式サイトや現地メディアでの開業告知などからも注目度の高さがうかがえる。(青柳一臣)

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