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12月19日のまにら新聞から

廃れた善悪概念の戦い  候補者に正しい評価を

[ 635字|2021.12.19|政治|新聞論調 ]

 完璧な世界では、能力や誠実さ、思いやりなどのリーダーシップの素質を持つ候補者を次期大統領に選ぶのは難しくない。しかし私たちは不完全な世界に生きている。 

 理想のリーダシップ概念を堕落させた主な原因は、よく指摘される識字率の低さよりも、私たちの善悪概念の希薄さだと考えられる。この毒された感覚のせいで、麻薬問題の解決策に殺りくを掲げる指導者が支持されたり、暴力と腐敗政治を継承する人が次期大統領に選ばれる寸前にいる状況が許されたりするのだ。

 指導者の実績がどれだけ悲惨なものでも、個人的に賛同、共感する点があるかどうかで、善悪の判断を下す歪曲した基準が広まったように感じる。地域社会や国にとって何がベストかよりも、個人の利益が優先されている。

 大統領候補者らを過去の指導者の失敗や美化された架空の成功と結びつけることで評価を曇らせている。ロブレド副大統領を非難する理由の多くは、野党自由党の支持者「ディラワン勢力」と関係しているからとし、マルコス上院議員の支持者の多くは、彼のリーダー素質などではなく、国のために「良いことをした元独裁者の息子だから支持する」というのだ。

 フェイクニュースという最新の有害兵器はロブレド氏を否定、マルコス氏を肯定するため拡散されているようだ。

 大統領選挙は、最高指導者の座をめぐる候補者間の戦いだけでなく、この国の思想と善悪概念に対する信念をもめぐる戦いでもあるのだ。(13日・インクワイアラー、ジョエル・ブトゥヤン)

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