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7月25日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 569字|2016.7.25|社会 (society)|ハロハロ ]

 「天皇陛下、生前ご退位の意向」というどっきりニュースが13日午後7時、NHKで報じられた。NHKのスクープらしい。各社、すぐに追っかけたが、このニュース、大方の視聴者、読者には好意的に受け止められたように思う。陛下は間もなく83歳という年齢。前立腺がん、心臓冠状動脈の手術も受けておられる。一般人なら悠々自適の年齢、境遇である。

 にもかかわらず、大変タイトな公務を消化しておられる。昭和天皇のご逝去に伴い即位されたのが55歳の時。皇太子は既にその年齢に達している。「職務が全うできなければ退位」という考えは極めて自然な流れに見える。安倍首相はコメントを控えたが、規定がないという現状を打破する道を探るのが、人道的にも優先課題ではないか。

 生前退位といえば、敗色濃い昭和20年、国体護持のため昭和天皇を退位させようとする動きがあったという。「近衛家七つの謎」(工藤美代子)によると、天皇に退位を促し、高松宮殿下を摂政とする極秘計画が練られた。天皇は「祐仁法皇」になるはずだった。陛下を守るための緊急避難策だったとみられる。しかし昭和天皇は既に覚悟を決めておられたらしく、上奏は聞き置くにとどめられたようだ、とある。今上天皇のケースはご自身の意向という点で大きく違う。年齢を考慮すれば、早急な検討が望ましいと思う。(紀)

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