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9月14日のまにら新聞から

「会計開示しなければ取引停止」 比赤十字、COAを「どう喝」

大統領は比赤十字に対し「監査を受けないなら今後一切の取引を打ち切る」と宣言

[ 1165字|2021.9.14|社会 ]
比赤十字社総裁のゴードン上院議員=2018年11月、首都圏マニラ市で岡田薫撮影

 ドゥテルテ大統領は国営放送の番組で11日、ゴードン上院議員が総裁を務めるフィリピン赤十字社に対し、「監査を受けないなら、今後一切の政府取引を打ち切る」と宣言した。先月会計検査院(COA)の監査報告に端を発した保健省の不正会計問題は、ドゥケ保健相の辞任の意志表明では終わらず、大統領自身にも火の粉が及ぶなか、大統領の反撃が各方面に飛んでいる。

 大統領は比赤十字が「政府支援を受けており、会計検査院の監査対象だ」とし「比赤十字は政府機関でないため対象外」としたCOAに対しても、「比赤十字を監査しないなら職務怠慢だ。長期の法廷闘争を覚悟しろ」とすごんでみせた。

 12日付英字紙マニラタイムズによると、大統領は「ゴードン氏が代表を務めた6年間、比赤十字は比赤十字法に定められた年次決算報告書を出していない」とし「監査を受けるか、私と喧嘩(けんか)するかだ」と最後通告を出した。

 パネロ大統領法律顧問も12日に「参戦」し、「比赤十字は400万回のPCR検査を行ったが、なぜかその売上を公開しない。義務付けられている高齢者、障害者への割引も適用していない」「4千ペソの料金で400万回の検査を行えば、数十億の利益が生まれる。暴利をむさぼっていながら人道団体と称せるだろうか」との援護射撃を行った。

 これに対しゴードン氏は、「これは話題そらしだ」と反論。目下の問題は、昨年政府が払込資本62万5千ペソの企業「ファーマリー製薬」から、87億ペソもの医療補給品を不当に高い価格で調達した疑いがあることだと改めて指摘した。契約の仲立ちをしたとされるヤン氏はダバオ市拠点の実業家で、かつて大統領経済顧問を務めていた。ヤン氏は10日の上院公聴会で関与を否定。大統領府は「ノイノイ・アキノ前政権時代に同種の補給品がより高額で調達されていた」と指摘した。

 この問題を掘り下げてきた上院ブルーリボン委はゴードン氏が委員長を務めている。同氏は「ドゥテルテ氏との関わりも調査する」と宣言し、大統領は「汚職があったら辞職する」と明言している。

 ▽「しっぺ返し」戦略

 大統領は、ファーマリー製薬からの調達を「計画された略奪だ」と批判するドリロン上院野党院内総務を非難した。

 優先開発補助金汚職(ポークバレル)事件の首謀者とされるナポレス受刑者とドリロン氏とのツーショット写真や違法薬物取引に関わったとされる前イロイロ市長、元警視監との関係について言及。「説明するべき」とした。ドリロン氏は「どれも昔の話で話題そらしだ」と反論した。

 13日付英字紙トリビューンによると、大統領は「政府の疑惑を見つけてみろ、お前の疑惑を見つけてやる。そういうゲームだ」と発言。政治スキャンダルについて「しっぺ返し戦略」を認めている。(竹下友章)

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