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5月13日のまにら新聞から

「中国外交官を国外追放に」 「紳士協定」通話流出問題で

[ 941字|2024.5.13|政治 (politics) ]

比国家安全保障会議のアニョ大統領顧問「南シナ海協定の通話記録を流出した中国外交官を国外追放せよ」

 中国大使館が南シナ海補給任務に関する「紳士協定の新モデル」の通話記録とされるものを一部メディアに流した問題で、国家安全保障会議のアニョ大統領顧問(国家安全保障担当)は10日、「録音や流出に関わった中国大使館職員は盗聴防止法やウィーン協定に違反しており、ただちにフィリピン外に追放されるべきだ」とする声明を出した。これに対し中国外務省は「比政府は事実を突きつけられて逆上し、自暴自棄な行動に出ようとしている」とけん制した。

 問題となっている「通話記録」は、1月3日に中国外交官と国軍西部司令部のカストロ司令官との間で交わされたものとされ、①比はアユギン礁(英名セカンドトーマス礁)の補給を巡視船1隻、補給船1隻で行い、中国も同数の船舶を派遣する②補給物資は水と食料などの人道支援物資のみ③比側は補給任務の2日前に中国に通知する④この取り決めはブラウナー参謀総長、テオドロ国防相、アニョ大統領顧問に確認されている――という内容。

 アニョ大統領顧問は「不和の種をまき、比国民に分断を作ることを目的としている」と非難。「中国大使館は偽の書き起こし記録を表に出すことで誤った情報の拡散をもくろんでいる。このような行動は看過されるべきでなく、重い制裁が必要だ」と主張した。

 さらに、「長い時間をかけて確立した外交チャネルと外交プロトコルを無視して、不当に比当局職員と交渉し、その際の対話とされるものが比政府を拘束すると主張するのは、こっけいであり、無謀だ」とした。

 報じられている「通話記録」の真実性は否定しているものの、中国当局が比職員(西部司令部司令官)と交渉したことや、その内容が一部録音されたことを部分的に追認する内容となった。

 ▽「無謀な行動、しっぺ返し招く」

 中国外務省の林剣報道官は同日、会見でアニョ大統領顧問の声明に対し、「比側の反応は、まさに事実と証拠を前に良心の呵責(かしゃく)の発露であり、どれだけ比が逆上し、自暴自棄になっているかを示している」と反論。比政府に対し「中国外交官が通常業務を遂行できる状態を確保し、挑発と侵害行為をやめるよう求める」とした。さらに、「向こう見ずな行動はしっぺ返しを招く」と述べ、対抗措置を示唆した。(竹下友章)

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