「日刊まにら新聞」ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
35度-27度
両替レート
1万円=P3,680
$100=P5710

10月18日のまにら新聞から

比大使館貿易部が初参加 アジア最大のコーヒー展示会

[ 1432字|2022.10.18|経済 (economy) ]

東京で開かれたアジア最大のコーヒー展示会に在日比大使館貿易投資部が初参加

展示会2日目の比大使館ブース。出展者、大使館関係者、アームズのメンバーら=13日、太田勝久撮影

 東京ビッグサイト(東京都江東区)で12~14日、SCAJワールドスペシャルティコーヒーカンファレンス・アンド・エキシビション2022(SCAJ2022)が開かれ、商務参事官ディタ・アンガラ・マサイ氏を代表とするフィリピン大使館貿易投資部が初参加した。本イベントはアジア最大のスペシャリティーコーヒーの展示会で、日本や世界各国から150のブースが出展、3日間の来場者数はのべ4万4052人(主催者発表)に上った。比大使館ブースでは、比産コーヒーそのものが珍しいことに加え希少リベリカ種(比名バラコ)などが展示され、多くの人で賑わった。

 出展者は、コーヒー豆(生豆、焙煎豆)、コーヒーマシン、調理機器、容器・包装、チョコレート等食品、お茶等飲料、書籍、関連サービスなどの業者や団体。コーヒー生産者、輸出業、輸入業、焙煎卸、自家焙煎カフェ・喫茶店、レストラン、ホテル、メーカなどの業者や一般コーヒーファンらが来場した。

 イベントのために来日し、リベリカ種を出品したリッチ・ワタナベさん(49)は、コーヒー・ヘリテージ・プロジェクトを主催し、世界でも希少なリベリカ種の保存と農家の生計向上に11年間取り組んでいる。ワタナベさんは「日本でバラコを普及させたい」と抱負を語った。

 また、ルソン地方マウンテンプロビンス州サガダ産のアラビカ種やバラコを紹介していたベラコーヒー社長のバネッサ・ベラスコさん(46)は、品質の良いコーヒーが地元だけで消費されている現状をもったいないと感じ、より多くの消費者に届けようと構想していたところ、新型コロナで影響を受けたこともあり一念発起して2年前に起業したという。

 2016年にミンダナオ地方ダバオ市に移住し、主にアポ山のBACOFAコープの農家とコーヒーの品質改善をしつつ輸出に取り組んできたという別の男性出品者は、輸入元の青山通商とミンダナオ島代表として参加。20年からはKAPECOプロジェクトというクラウドファンディングを毎年実施し、農家の支援と品質の良いコーヒーの普及にも努めている。今回の展示会について、「19年出展時よりも比に対する関心の高まりを感じた」と話していた。

 同ブースでは、比産チョコレートも展示された。出品は、ここます(草加市)、アウロチョコレート(マカティ市)、マラゴスチョコレート(ダバオ市)の3社で、ともに世界やアジアで数多くの受賞歴がある。

 比大使館貿易投資部アドバイザーの片倉憲一さん(66)は今回のイベントについて①比から送ったコーヒ豆やチョコレートの到着がイベントに間に合った②日本の渡航緩和で比人担当者2人が来日できた③一般社団法人日本焙煎技術普及協会(アームズ)にボランティアを派遣してもらえた――などが重なって成功できたとコメントした。特に③については、開場と同時に人の波が押し寄せ、比大使館関係者だけでは対応不可能だったと思うと話した。

 ワタナベさんとベラスコさんはともに、「大勢の人に比大使館ブースに来てもらえて驚いた。そして、日本人のボランティアが手伝ってくれたことに感謝している」と声をそろえた。

 比産コーヒーはアライズ(江東区清澄白河)、アームズシェア東長崎焙煎所(東京都豊島区)、自家焙煎Cafeちゃんと(東京都文京区)、福来鳥(鎌倉市)などで飲むことが出来る。生豆の問い合わせ先は青山通商の堀江さん(03・3470・6895)。(太田勝久=東京)

経済 (economy)