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3月7日のまにら新聞から

国内中小企業への外資制限緩和 大統領が外資法改正法に署名

[ 823字|2022.3.7|経済 (economy) ]

外国人投資家による一部国内中小企業への出資を100%認めることなどを盛り込んだ共和国法第11647号にドゥテルテ大統領が署名した

 ドゥテルテ大統領は2日、外国人投資家による出資を制限している「1991年外国投資法」を改正し、一定の条件を満たした国内中小企業に対する外資100%所有を認めることなどを盛り込んだ共和国法第11647号に署名した。大統領府が4日発表した。

 同法は東南アジアはもとより世界で最も外資制限の多い国の一つとされてきたフィリピンを、外国人投資家にとってより魅力的な投資先として誘致し、さらなる雇用創出と、発展途上にある国内産業に技術移転を促進させることが目的。

 同改正法によると、まず、最低払い込み資本金が10万ドル(500万ペソ)未満の中小企業で、直接雇用の過半数が比人であり、その数が少なくとも15人以上いる企業について、外国人による100%出資が認められる。また、外資制限リスト(ネガティブリスト)や比人優先の投資分野に該当しない製品やサービスを提供している輸出企業に対しても、最大100%までの外資所有を認めるとしている。

 さらに、同法では外資制限の対象となる投資分野のリストについて、銃器、弾薬、殺傷兵器などの防衛関連事業、先端技術やスタートアップなどの事業、または資本金20万ドル未満の国内市場向けの小規模・零細企業に限るとしている。

 同法はさらに貿易産業相が率いる省庁間投資促進調整委員会(IIPCC)が設置され、「国内への外国直接投資の促進に向けた全てのプロモーションと円滑化の努力を統合する」任務を負うことと定めている。また、同委員会が今後、外国人投資や国内企業への外資出資状況の情報を収集し、データベースとしてオンライン上で管理することも定めている。

 一方、IIPCCは、「国家安全保障会議および国家経済開発庁(NEDA)と連携して、軍事関連産業やサイバーインフラ、パイプライン輸送、その他領土保全や国民の安全、安心、幸福を脅かす可能性のある活動に関わる外国人投資を見直す」とも同改正法で言及されている。(岡田薫)

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