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シリーズ・連載

議長が見た被災地

第1回 ・ サマール州バセイ町の離れ小島は孤立無援に。バランガイ議長が食料確保に奔走

 11月8日にビサヤ地方を襲った台風ヨランダ(30号)は、最大風速90メートルの烈風と、思わぬ高潮被害で、約8千人の死者・行方不明者を出した。被災から6週間後、特に甚大な被害を受けたレイテ州タクロバン市、パロ、タナワン、サマール州バセイ各町に入り、自らも被災した状況下でふるさとの地域・住民と政府の間に立ったバランガイ(...

第2回 ・ 「救えた命があったはず」と自身の無力と町、政府の無策を責める気持ち消えず

 「もっと多くの命を救えたはず」。被災から約1カ月後の12月初旬、パポース・ランタホさん(49)は自問を続けていた。バランガイ(最小行政区)の議長として、行政機構の末端に携わりながら、幼なじみや隣人らを救えなかった自身の無力と町、政府の無策を責めたい気持ちは、なかなか消えない。

第4回 ・ インフラの再建望むも議会予算足りず。政府の復興支援届くのを待つ日々が続く

 レイテ州の州都タクロバン市からオートバイで約1時間、日本の政府開発援助(ODA)で造ったサンフアニコ橋を渡ってすぐ近くに、サマール州バセイ町がある。町中心部のうち、海沿いにある四つのバランガイ(最小行政区)が高潮で最も大きな被害を受けた。

第5回 ・ タクロバン市の空港近くではバランガイ(最小行政区)の3分の2が居住禁止に

 被災地支援の入り口となったレイテ州のタクロバン空港は、レイテ湾に突き出した小さな半島の先端に位置している。半島の真ん中を走る、タクロバン市中心部に続く道を歩くと、両側一面が、高潮に流され、裸になってしまっているのが分かる。がれきで造った小さな小屋や、国連が配った白いテントが立ち並び、その周りで、住民が洗濯をしたり、漁...