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12月18日のまにら新聞から

フェイクニュースのまん延 カギは次世代教育

[ 754字|2020.12.18|社会 (society)|新聞論調 ]

 インターネットとデジタル機器の普及で、人々は膨大な情報に日々さらされている。情報を正しく理解し伝えるためのデジタルリテラシーと呼ばれる能力が今、必要とされている。それは、これらの技術を理解し、安全、効果的に利用する能力だ。情報を見つけ、利用し、情報を自ら作る能力だ。情報が自由に手に入るなか、誤った情報の拡散をどう防ぐかという課題が浮かび上がっている。

 比人はソーシャルメディアに毎日かなりの時間をさき、情報にふれ、発信している。誤った情報を流さないよう、啓もうすることが必要だ。国家警察は今年4月、コロナ感染症に関するフェイクニュースをソーシャルメディアに流した容疑で全国で47人を逮捕した。8月には「タルラック州でコロナワクチンの接種を受けた5人が亡くなった」という偽情報も流れた。こうしたでっち上げは健康当局の取り組みに対する不信感を広げるものだ。人々は持っている偏見をくすぐられ、身近な人から来たことで容易に信じてしまう。内容に気が高ぶり、偽の証拠を検証することなく、偽情報を広げてしまうのだ。

 調査会社によると、比ではコロナ禍が始まる前から、インターネットとスマートフォンの使用率が上がっていた。1月時点でインターネット利用者が7300万人に達し、1570万人がニュースはフェイスブックから入手するとの調査結果もある。フェイクニュースが素早く全国に広がることもうなずける。人々はもっとフェイクニュースに用心し、偽情報を広める前に情報源を調べるようにすべきだ。

 このことはコロナ禍でオンライン学習が一般化するなか、特に学生たちへの教育上重要だ。教師は、次世代の地球市民に、ニュースと情報が偽物か本物かを見分ける力を付けさせる責任を負っている。(15日、インクワイアラー、ヨビタ・マリナ)

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