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12月27日のまにら新聞から

最高裁のクリスマスプレゼント 司法公共支援部で信頼高まるか

[ 681字|2019.12.27|社会 (society)|新聞論調 ]

 最高裁が今月、「司法公共支援部(JPAS)」を設立した。画期的な取り組みだ。最高裁、とりわけペラルタ長官に謝意を表したい。

 未決案件についての問い合わせなどは、これまで一般市民にとって複雑で、時間も手間もかかっていた。裁判所のヘルプデスク、ホットライン、Eメールは、担当者が15日以内に返答するようになった。さらに、問い合わせ内容を平易に、面倒なく処理するよう定められており、大きな進展と言える。この新制度の価値ある点は、最高裁長官の直接の指揮下にあることだ。トップが推進すれば、大きな変化が生まれうる。

 同支援部の効果的、効率的な運用は、担当者のやる気と能力、長官の推進力にかかっている。同支援部が画期的なのは、単に業務をこなそうとするのではなく、市民を支援したいという高い願望から生じたものだからだ。クリスマスにぴったりである。こうした精神は市民にも伝わり、市民と裁判所のよりよい関係づくりに資する可能性もある。

 支援部の取り組みとして挙げられているのが、未解決案件の公表だ。これらは裁判所の敷地内のコンピューターや最高裁のウェブサイトで公開され、訴訟当事者らは容易に最新情報を得られるという。

 司法は汚職の問題も抱えている。これには告発者を守った上での告発制度が有効だろう。もう一つは、判事をハラスメントから守り、汚職が入り込まないようにすることである。司法は、できる限りの対策をとることで、汚職に対して正面から向き合うことを恐れていないと示すべきではないか? それが一般市民のためでもある。(25日・ブレティン、アート・ブリオン元判事)

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