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12月2日のまにら新聞から

ヒーローの資質とは

パッキャオ選手脱税疑惑

[ 728字|2013.12.2|社会|新聞論調 ]

 下院議員でもあるパッキャオ選手はマカオでリオス選手を破り帰国した翌日、国税局の仕打ちに不満を表明する記者会見を開いた。国税局はパッキャオ選手が2008年と09年に海外の試合で得た収入に関する所得税を滞納しているとして彼の国内銀行口座を差し押さえたのだという。

 今回の問題の焦点はパッキャオ選手が米国の国税局に所得税を納税したことを証明する書類を提出していなかったことだ。手続きの不備だけが問題ならば、今回のニュースは簡単に片がつくのだが、ことは複雑な様相を呈している。

 パッキャオ選手は今回の試合は台風被災を受け悲嘆にくれるフィリピン国民に喜びをもたらすために戦うと宣言した。その通り素晴らしい内容で彼が勝利した。被災地で試合を見た観衆も彼がリオス選手の顔面にパンチを見舞うたびに、台風によってもたらされた高波や強風による被害に対しまるで報復したかのように熱狂した。

 しかし、パッキャオ選手が勝利直後に国税局による口座差し押さえ命令に関する表明を行ったことに少し判然としない気分が残る。命令自体は以前に出されていたようだ。被災地に救援物資を持って駆けつけたいが口座差し押さえで資金調達が出来ないと同選手は嘆いた。しかし、彼はほかに口座を持っていないのだろうか。

 パッキャオ選手は人気が高い。大統領選出馬には年齢制限で2022年まで待たなければならないが、16年上院選に出馬すれば確実に勝つだろう。政治家としてのパッキャオ選手は、社会変革のビジョンを持つというよりコネを作り親族を政治ポストに就けるという従来の政治家と大差ない。彼は国民に尊敬される英雄として政治の世界から距離を置くべきだ。(28日、インクワイアラー、ランディ・ダビッド氏)

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