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11月20日のまにら新聞から

力が正義の時代到来か RCEP協定署名

[ 781字|2020.11.20|社会|新聞論調 ]

 世界最大の貿易圏が期待外れになる可能性がある。実例を見たければ、上海の浦東空港の関税倉庫を見ればよい。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)最終段階の調整が行われていた今月初め、数千トンのオーストラリア産ロブスターに数日間の遅れが生じた。RCEPルールでは生鮮食品は6時間以内で手続きすることになっている。同国からの7分類の輸入品の手続きを遅らせるようにとの中国政府の非公式命令によるものだった。 

 両国の間の争いから、中国外務省は今月、オーストラリア側に「良い経済関係を望むなら、自らの行動を省みることが先だ」と伝えていた。

 この出来事は今の時代をよく表している。ソ連崩壊後、法に基づく世界秩序を構築しようという試みは、力を正義とする外交に道を譲ってしまった。この傾向は自由貿易を誇る取り決めにも、その影を落としている。インドが抜けて当初の予想以上に突っ込んだ合意を見た部分はあるようだ。しかし、それでも同経済圏は欧州経済地域はおろか、米離脱後の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)にも及ばない。見込まれている利益が余りに小さいのだ。世界貿易機関(WTO)は関税を引き下げ、ルールを一致させ、紛争解決の仕組みを作って、貿易と投資を促進することを目指して創設された。

 RCEPとTPPは昔の経済ブロックへの逆戻りだ。域内への統合は、域外との疎遠を意味する。RCEPは中国がけん引する世界秩序と見なされている。

 過去4年間の激しい中国と米国の応酬にもかかわらず、中国の経済進出を押しとどめることはできなかった。WTOは牙を抜かれたトラとなってしまっている。コロナ禍の深みから回復を待つ今も、世界の貿易量は過去4年間で最低レベルだ。新たな合意にも、世界経済の厳しい状況を見誤ってはならない。(16日、ビジネスワールド、デイビッド・フィックリング)

社会

防疫区分を1段階緩和 4月末までMECQに

[ 708字|2021.4.12 ] 無料記事

【首都圏と近郊4州を、30日まで修正防疫強化地域(MECQ)へと緩和】 ロケ大統領報道官は11日、首都圏と近郊4州の防疫区分を防疫強化地域(ECQ)から修正防疫強化地域(MECQ)へと1段階緩和すると発表した。期間は4月12〜30日。外出禁止時間もこれまでの午後6時〜午前5時が午後8時〜午前5時に短縮される。このほか、MECQで新たに認められる活動の詳細は発表されていない。  これでECQに置かれる州や市はなくなり、MECQに置かれるのは首都圏とブラカン、リサール、ラグナ、カビテの4州に加え、アブラ州、サンチャゴ市(イサベラ州)、キリノ州の計8カ所となった。  MECQからさらに1段階緩い一般防疫地域(GCQ)に置かれるのはカガヤン、イサベラ、ヌエバビスカヤ、ケソン、バタンガス、南ラナオの各州、タクロバン市(レイテ州)、イリガン市(北ラナオ州)、ダバオ市、コルディリエラ行政区。それ以外の地域は最も緩い修正一般防疫地域(MGCQ)となる。  医療や統計の専門家の間では、首都圏などのECQはさらに延長すべきとの声が強かったが、経済的損失を懸念する財界の訴えもあり、政府は1段階の緩和に踏み切ったとみられる。  11日英字紙インクワイアラーによると、フィリピン大などの専門家グループ「OCTAリサーチ」は10日、感染押さえ込みについて「希望はECQ延長にある」とし、首都圏などについては最低1週間の延長を求めていた。  1人の感染者から何人に広がるかを示す「実効再生産数」(R0)は、ECQが始まった3月29日以前には首都圏1・88だったが、2週間で1・23にまで改善。しかし、新規感染者数が減少に転じる1を割り込むまでは、厳格な防疫措置が必要と訴えていた。(岡田薫)