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7月10日のまにら新聞から

本当に「パサワイ」なのは誰か 国民は防疫措置を順守している

[ 871字|2020.7.10|社会|新聞論調 ]

 リビラン運輸次官は3月16日、首都圏などの防疫強化措置に伴う公共交通機関の完全凍結を宣言した際、「パサワイ(言う事を聞かない人、違反者の比語)が多すぎる。頭が固く利己的なやつが」と発言した。ロケ大統領報道官も4月に「パサワイが多いので、我が国はアセアン諸国で感染者が一番多い」とし、アニョ内務自治相も「多くのパサワイを逮捕し、罰則を課し身柄を拘束すべき」と発言。大統領は6月30日に「ダバオも含めセブ語話者たちは本当に頭が固い。規則を守らせることができない」と述べた。

 コロナ禍において国民が頑固で規律を守らないがゆえに感染者が増え続け、世界で最長の都市封鎖を実施せざるを得ないというのが政府の見解だ。軍や警察を動員して強硬手段で対処する方針が、自ら責任持って行動できない市民によって正当化されている構図だ。しかし、この構図は真実か。

 グーグルが公開している各国のユーザーの移動傾向データによると、防疫強化措置導入から2週間後の3月29日時点で国内ユーザーの81%がレストランやモールへの移動を控え、59%が公園やビーチも控えている。4月10日にはモールへの立ち寄りが防疫措置以前に比べ90%減少。6月1日に首都圏が一般防疫地域に緩和された以降も、小売店・娯楽施設(57%減)、駅・ターミナル(64%減)、職場(41%減)と低く、感染の増加が著しいセブを含む中部ビサヤ地域でも小売・娯楽施設(69%減)、駅・ターミナル(70%減)、職場(35%減)となっている。

 このデータは限界があるが、全体の傾向は明白だ。大半の比人は防疫規則を順守しているのだ。世論調査でも回答者の84%が防疫措置を効果があると認識している。一方、防護器具など医療態勢を整えるのに時間がかかり、厳格な都市封鎖を命じて経済活動をまひさせ、医療関係者より退役軍人らをコロナ対策に当たらせ、足止めされているOFWや帰郷者を無視してきたのは誰か。誕生パーティーに参加したり、リゾートでイルカと戯れた政府高官もいる。どちらがパサワイなのか。(5日・インクワイアラー)

社会

シノバックワクチンあす到着 優先接種対象まだ決まらず

[ 883字|2021.2.27| ] 有料記事

【シノバック製ワクチン60万回分が中国軍機によって28日に到着することが判明するも優先接種対象がまだ決まらず】 新型コロナウイルスワクチンの第1陣として中国製薬大手シノバック製のワクチンを積んだ中国軍の輸送機が28日、首都圏パサイ市のビリャモール空軍基地に到着することが25日までに判明した。比政府による全国のワクチン接種プログラムが3月からいよいよ始まる見通しだ。26日付英字各紙が報じた。  シノバック製のワクチンは、食品医薬品局(FDA)が22日に緊急使用許可を承認したことから、同社から60万回分に相当するワクチンが数回に分けて比に届けられる予定。しかし、ドミンゴFDA局長が同ワクチンの効果について「(接種者の)50・4%にしか現れない」と述べ、医療従事者や高齢者など優先順位の高い対象には使用しない方が良いと勧告していることから、比政府は中国製ワクチンの優先接種対象をまだ決められずにいるという。  黄渓連駐フィリピン中国大使は25日、「困難な時にお互いに助け合うという中国と比との間の良い伝統だ」との声明を出し、中国政府による今回のシノバック製ワクチンの寄付を讃えた。28日に空軍基地に到着した後、通関手続きを経て、冷蔵車両でまずモンテンルパ市にある熱帯医学研究所(RITM)に輸送される予定だ。  比へのワクチン第1陣の到着日時が決まったにもかかわらず、保健省や新型感染症対策国家タスクフォース(NTF)は中国製ワクチンの接種対象など接種実施の詳細がまだ決まっていないと発表している。一方、政府のワクチン担当責任者のガルベス大統領補佐官は3月第1週から「医療従事者への接種が始まることを期待している」とした上で、モレノ・マニラ市長が自らシノバック製ワクチンの公開接種を受けると表明したことも明らかにした。  また、国防省は今回到着するシノバック製ワクチン60万回分のうち10万回分について、同省の職員や国軍兵士らが接種する予定だと明らかにした。さらに、比総合病院のレガスピ院長も「いかなるブランドのワクチンであれ、FDAから使用許可が出ている限り、われわれは接種する準備は出来ている」とシノバック製のワクチン接種も問題ないとの考えを示した。(澤田公伸)