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3月25日のまにら新聞から

医師4人死亡、10人が感染 新型コロナウイルス 広がる院内感染 防護具不足も深刻

[ 694字|2020.3.25|社会 ]
新型コロナウイルスに感染した疑いがある者を隔離するため、首都圏ケソン市に急きょ設置された屋外の施設(EPA=時事)

 フィリピン国内で医師4人が新型コロナウイルスに感染して死亡したほか、医師10人が感染していたことが分かった。医療従事者用の防護具の不足や患者の情報開示不足などが原因で、各地で病院内の感染が広がっているとみられる。24日付英字紙スターなどが報じた。

 比医師会によると、亡くなったのは、マニラ・ドクターズ病院の麻酔科医グレッグ・マカサエット、フィリピン心臓センターの心臓専門医イスラエル・バクトル、サンフアン・デディオス病院のがん専門医ローズ・プリドの3氏と、ルソン島北部パンガシナン州の呼吸器科医。

 マカサエット医師の妻で医師のエベリンさんも新型コロナウイルスに感染し、マニラ・ドクターズ病院に入院中。このほか医師9人が感染し、病院で治療を受けている。

 症状から感染の疑いがあり、検査を受けている医師も多数いる。保健省に協力して検体の検査を引き受けている比大マニラ国立衛生研究所に属する分子生物学バイオテク研究所の所長もその1人。担当していた患者のうち2人が死亡したことから隔離されているという。

 比医師会のホセ・サンチャゴ会長は、4人の死について深い哀悼の意を表明。「悲しみとともに挫折感がある。防護具なしで新型ウイルスと前線で闘うのは、武器なしで戦争に行くようなもの。4人の死を無駄にしないためにも、医療従事者に防護具が行き渡らせるきっかけにしたい」と話している。

 同会長はデュケ保健相に先週、医療従事者に防護具を確保するよう手紙で訴え、一部の民間病院は、スタッフ用の防護具の不足のために、運営を一時停止する必要があるかもしれないことを明らかにしている。(谷啓之)

社会

上院が対面授業再開を勧告 教育相も必要性訴え

[ 1010字|2021.3.4 ] 無料記事

【議会上院は、コロナ感染の低リスク地域で公立小中高校の対面授業を試験実施する決議を採択】 上院は2日、新型コロナウイルス感染のリスクが低い地域で公立小中高校の対面授業を即時、試験実施することを勧告する決議を採択した。教育省の方針に基づき、限定的に対面授業を試験実施し、学校の対面授業を安全に再開する枠組みを設計するデータ集めが狙いとしている。  決議は「長期にわたるコロナ禍による学校閉鎖は、最も弱い立場で取り残された児童生徒とその家族に深刻な影響を与え、栄養や子育てなど、既存の教育格差を拡大させた」と分析。一方で、対面授業の実施については、防疫規則や保健省、新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)のガイドラインなどに従った「パイロットテスト」と位置付け、児童生徒の参加は自発的とし、保護者の明示的な許可が必要としている。  決議では、2月9日現在で未回復の感染者(アクティブ)がゼロの自治体は全国で3市433町で、パイロット調査に参加予定の学校を1065校(全国の公立学校の約2・2%)と報告。最近の基礎教育委員会公聴会での国連児童基金(UNICEF)の報告を引用し、昨年3月以降、学校が閉鎖されたままの国は東アジア・太平洋地域でフィリピンだけで、世界でも学校を再開していない国は他に13カ国しかないとしている。  決議の共同執筆者のソット議長は「安全面で遠隔教育に利点があるが、対面学習は教育に必要だ。家庭によってインターネットへのアクセスなどに格差があることも考慮することが重要だ」とした上で「断続的であっても、教師が生徒と直接会い、学習状況を確認し、必要な指導をする機会が増える。対面式授業は、効果的な遠隔教育を受けられる生徒と、社会から取り残された生徒との格差、不平等を取り除ける」と述べた。  ブリオネス教育相も2日、児童生徒が長期間、自宅にこもっていることの悪影響を指摘、改めて学校での対面授業を再開する必要性を訴えた。  3日付英字紙トリビューンによると、教育相は「子どもが家に長期間こもっている間、常に親と顔を合わせなければならないため、心理社会的な問題がかなり出てきている」と指摘。「家にいると、家事など雑事を手伝わなければならないこともあり、勉強しようとしても気が散ることが多い」と説明した。100万人以上を対象にした教育省による調査で、生徒たちが対面学習を強く支持していることが分かったことも紹介、「多くの生徒が遠隔学習よりも対面授業を望んでいる」と述べた。(谷啓之)