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5月26日のまにら新聞から

戦争よりも治療と教育を 麻薬戦争の失敗

[ 640字|2019.5.26|社会|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領は「麻薬戦争」が失敗したことを公然と認め、国家警察もまた、麻薬の状況は「悪化した」と述べた。

 世界の麻薬戦争の歴史は一貫して失敗の歴史だ。国連薬物犯罪事務所によると、違法薬物は先進国と発展途上国の多くが関与する総収入5千億ドルを超えるビジネスだ。金額は鉄鋼業、自動車産業を合わせた規模を上回っており、麻薬戦争で麻薬の拡散を阻止することはできない。

 歴史が始まってから、アルコールやアヘン、大麻にたばこは、現実から逃れるために使われてきた。懲罰の代わりに、政府は市民が悲惨な状態から抜け出せるよう支援すべきで、健康問題として認識されるべきだ。薬物を使うかどうかは、入手できるかどうかにかかっている。戦争を行うべきは中毒者でなく、密輸業者や運び屋などに対してだろう。

 スイスのように治療と薬物使用による害を抑える「ハームリダクション」に重点を置いた薬物政策を策定することもできる。治療では薬物中毒者が医療と心理的ケアを受ける一方で、ハームリダクションでは、薬物使用による健康と社会的影響を最小限に抑えることを目指す。

 教育的アプローチでは、子どもや10代の若者たちに衝撃を与えたり、怖がらせたりするのではなく、彼らの注意を引いてから、薬を飲むことの潜在的なリスクについて教育するべきだろう。違法薬物にまだ触れていないが、次世代の薬物使用者になる可能性がある、数百万人の子どもたちにも目を向けるべきだ。(23日・インクワイアラー、カルロス・アガテップ)

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