Logo

19 日 マニラ

32°C26°C
両替レート
¥10,000=P3,870
$100=P5,655

19 日 マニラ

32°C26°C
両替レート
¥10,000=P3,870
$100=P5,655

現実を直視せよ 西比海領有権問題

2015/12/7 社会

 西フィリピン海(南シナ海)領有権問題に関する、国際仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)での比政府の主張に関する口頭弁論が終了した。2016年初めにも予想される判決は「比の立場を支持する内容になる」と楽観的にみている関係者が多い。我が国の弁護団による主張は確固たるものだった。一方、中国は審理への参加を拒否した。

 中国が比の領土を不当に侵略したことは間違いない。しかし、中国に謝罪を強要し、人工島建設など比領海内での不当な開発を中止させることは、我が国を含む世界のどの国もできないだろうという現実がある。

 アキノ大統領やその取り巻き連中は「米国が比を援護してくれる」、もしくは「国連が中国に対して何らかの制裁を加えるだろう」と信じているようだが、これは万が一にも起こり得ない話だ。意見の相違こそあるが、米国は中国との経済関係を重視しているからだ。

 国連を通じた策も不可能だ。安保理の常任理事国である中国は、他国が反対したとしても、拒否権を発動するだろう。また、中国が世界各国と生産的な関係を構築している現状を考慮すれば、総会で策を講じても成功しないだろう。

 仲裁裁判所の判決は、国際社会に対して、「比政府の正しさ」を明らかにするだけだ。実質、何も意味を持たないと言ってよいだろう。現実の世界は、私たちが望んでいるような道義的なものではないし、政治的な正しさが通用するとは限らない。

 長たらしい仲裁手続きは、国民の鬱憤(うっぷん)を晴らしてくれるだろうが、権利や領土を取り返せるわけではない。この深刻な問題を解決するには、腹を割って中国と交渉するしか道はないのだ。(3日・タイムズ)

おすすめ記事

「通報システム構築目指す」 メトロマニラ飲食店協会会合

2025/6/19 社会 有料
有料

動画作者も責任追及の可能性 サラ氏弾劾に関するAI動画

2025/6/19 社会 有料
有料

内山安雄のフィリピン&アジア取材ノート第204回 マニラで武士ならぬ作家の商法

2025/6/19 社会 有料
有料

「偽情報に懸念」が67% 過去最高、政治情勢反映か

2025/6/18 社会 無料
無料

在中東比人への支援指示 紛争激化でマルコス大統領

2025/6/18 社会 有料
有料

新たな学位認定法公布 職務経験と実務経験で授与

2025/6/18 社会 有料
有料