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12月8日のまにら新聞から

国民投票で是非を問え バンサモロ基本法案

[ 729字|2014.12.8|社会|新聞論調 ]

 国家の中のサブステート(準国家)と言える新自治政府の創設を柱にしたバンサモロ基本法案の審議が国会で進んでいる。フィリピンには「小指が痛めば、体全体が痛む」ということわざがあるが、共和国憲法の枠を超える権限を持つ新国家を分離・独立させるような法案に強い懸念を抱いている国民は多い。

 それだけに、同法発効の是非を問い、管轄領域を確定させる住民投票は、全国規模で実施すべきだろう。住宅地でカラオケ店を開く際、その可否を経営者と客にだけ聞くのではなく、近隣住民の意見を聞かなければならないのと同じことだ。

 現在、下院特別委員会はミンダナオ地方を中心に公聴会を続けている。ロドリゲス委員長によると、少なくとも19回、開かれる予定で、ビサヤ地方セブ、イロイロ両市やルソン地方バギオ、ラオアグ両市も開催地となっている。ミンダナオ地方以外での公聴会開催は、新自治政府創設が単なる地方の問題ではなく、国レベルの重大事項であることを示しているが、大統領府と反政府武装勢力モロ・イスラム解放戦線(MILF)は全国民の声に耳を傾けようとしない。

 さらに、大統領府は、国内問題であるMILFとの和平プロセスを国際問題化し、外国政府のあからさまな介入を認めてきた。欧州連合(EU)などは、新自治政府創設への賛成を呼び掛ける住民投票用チラシを作成、配布する始末だ。

 今後、基本法発効でミンダナオ地方が「分断」された場合、新自治政府の管轄地域外で嵐のような抗議運動が沸き起こる恐れがある。そのような事態を防ぐためにも、国民投票を実施すべきなのだが、マラカニアン宮殿に住むカラオケ店経営者は、隣人らの意見を聞くのを恐れているようだ。(4日・スター、フェデリコ・パスクアル氏)

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