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11月16日のまにら新聞から

政府は発注契約を破棄せよ LRT1号線南方延伸事業の遅延

[ 785字|2018.11.16|社会 (society)|新聞論調 ]

 アヤラ・コープとメトロパシフィック・ライトレールなどの企業連合体であるライトレール・マニラ社が軽量高架鉄道(LRT)1号線南方延伸事業を受注してから3年以上が経過した。首都圏からカビテ州までを結ぶ同線南方線建設・運営・保守事業の事業費は649億ペソで2019年5月までに完全操業する計画だ。しかし、今日に至るまでコンクリート柱の1本すら建てられていない。

 14年9月に当 通信長官が発注した延伸事業は、発注日から1年以内に着工する契約だった。トゥガデ運輸長官がこのまま事業の遅れを放置すれば、比ビジネス界の巨獣に捕らえられた政府機関だとして非難されることになる。論理的かつ透明性のある唯一の方策は、アヤラとメトロパシフィックに発注した延伸事業契約を破棄することだ。

 LRT1号線については、首都圏鉄道(MRT)3号線との共通駅の建設場所を巡り、シューマート(SM)グループが最高裁に上訴した問題があった。しかしアバヤ長官もLRT1号線南方延伸事業は共通駅の問題には関係がないと表明。それ以降、企業連合体は延伸事業に取り掛かると何度も声明を発表したが着工しなかった。彼らはアキノ政権による用地買収が進んでいないとか、新車両の調達が進んでいないなどと理由を付けて着工を遅らせた。

 しかし用地権確保については事業入札が行われた時点で90%近くまで完了していたのだ。3銀行による250億ペソまでの協調融資も決まっている。ではなぜ彼らは着工しないのか。それは自分たちのポケットから建設資金を出したくないからだ。最近もライトレール社は延伸事業の費用捻出のためとしてLRT1号線の運賃を現行より5ペソ引き上げるのを認めるよう政府に要請している始末だ。今年末までに企業連合体が引き続き橋脚を一本も立てないのなら、発注契約を破棄すべきだ。(13日・タイムズ、ドド・ドゥライ)

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