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2月18日のまにら新聞から

持続可能な観光を ボラカイ汚染問題

[ 650字|2018.2.18|社会 (society)|新聞論調 ]

 美しい白い砂浜がどこまでも続くホワイトビーチで有名なボラカイ島はこれまで何度も、世界で最も美しい島などのランキングに選ばれて来た。しかしドゥテルテ大統領はこのほど、環境汚染で「ボラカイは汚水溜めになってしまった」と指摘し、期間内に汚染が解決されなければ、島を「閉鎖」すると言い出した。今こそ、フィリピンがずっと先延ばしにして来た自然保護や持続可能な観光について真剣に取り組む時期が来ているのだろう。

 ボラカイは、国内からだけでなく海外からも多くの観光客が訪れる比でも一、二を争う観光地だ。乾期が近づく中、島のホテルなどは観光のピークシーズンに備えて準備を始めている。そんな時期に大統領の閉鎖発言が飛び出した。

 大統領は一度行った発言は撤回するタイプではなく、島の観光業者ができることは、今すぐに自然環境保護に取り組むことだろう。

 実際、ボラカイで環境汚染が問題となったのは最近の話ではない。ホテルなど施設の汚水垂れ流しやごみの不法な投棄など、規制や取り締まりの緩さが汚染を悪化させてきたが、行政を筆頭にこれといった対策は取られないままだった。

ボラカイには輝く白い砂浜と青く透き通る海がある。しかしそれは開発が行きすぎた観光地ではいつまでも存在し続けるものではなく、保護が必要だ。島で観光業に関わる者、住民はそれを守り続けなければいけない。

 大統領の閉鎖発言をきっかけに自然保護への取り組みが早急に行われ、世界に誇る美しい自然が次世代に受け継がれることを願う。(13日・スター)

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