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10月16日のまにら新聞から

希望の光が復活 23年予算でがん支援基金

[ 798字|2022.10.16|社会 (society)|新聞論調 ]

10月の乳がん啓発月間に合わせたかのように、2023年度予算で保健省(DOH)に2920万ペソの予算を持つがん支援援基金(CAF)が復活し、医療施設で使えるようになったというニュースが飛び込んできた

 10月の乳がん啓発月間に合わせたかのように、2023年度予算で保健省(DOH)に2920万ペソの予算を持つがん支援援基金(CAF)が復活し、医療施設で使えるようになったというニュースが飛び込んできた。

 DOHおよび予算管理省(DBM)によると、CAFは、がんの治療、また必要な医薬品、関連備品の購入などにあてられる。また、特に乳がんを含む婦人科がん、小児がん、肝臓がん、成人血液がん、頭頸部がん、前立腺がん、腎臓がん、泌尿器がんの8種類のがん対しては検査・診療費用も対象となる。

 CAFは、ドゥテルテ前大統領によって2022年の予算に組み込まれていたが執行にあたって「矛盾する条項」があるとして予算支出が執行されず、国家予算項目から外されていた。今回、DOHとDBMの両機関の調整により予算が回復し執行される運びとなった。

 パンガンダマン予算管理相は、声明で、「がんに苦しむ比人が、病院や医療施設を利用するために、この基金を利用できるようになったと」述べ、「私たちは、がんが多くの比人を苦しめ、死亡原因の主要因の一つであることを知っている。CAFが多くのがん患者の負担を軽減することを望んでいる」と付け加えた。がんは心臓病、血管系疾患に次ぐ国内第3位の死因であり、今年1月から3月までの死亡者数は8926人に上っている。

 DOHとDBMが来年度予算でCAFを復活させる努力をしたことは評価されるべきだが、今後は迅速かつ適切な実施が課題となる。両省には引き続き同様の努力を期待したい。また、早期診断や治療を受けることを躊躇させる今だ根強い迷信や偏見に対処するため、がんに関するより積極的な啓発キャンペーンも行う必要がある。希望と回復のメッセージを伝え、苦しむ人たちにCAFを通じて救いの手を差し伸べることにより政府は真の奉仕を行うことができるのだ。(15日・インクワイアラー)

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