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6月22日のまにら新聞から

ファイザー製4千万回分を契約 「幸せなXマス」になると補佐官

[ 996字|2021.6.22|社会 (society) ]

ガルベス補佐官によると米ファイザー製ワクチン4千万回分の供給契約締結

 新型感染症全国タスクフォース(NTF)ワクチン担当のガルベス大統領補佐官とドゥケ保健相は20日、米ファイザー・独ビオンテック社と、比としてはこれまでで最大の4千万回分の新型コロナワクチンの供給契約を締結したことを明らかにした。ガルベス補佐官は、これで年内に5種1億5700万回分のワクチン入手のめどが立ったことから「幸せなクリスマスを迎えられる」とも述べた。

 ガルベス補佐官によると、ファイザー製4千万回分は12歳から15歳までを含む一般人への接種開始予定に合わせ、8月までに到着する。「多くの大国や富裕国ではワクチン接種が進み、ワクチン需要が緩和され始めている」ため、納入は一括で行われるという。

 この資金調達はアジア開発銀行と多国間協定によって行われる。ガルベス補佐官は、融資資金がワクチンメーカーに直接支払われ「政府関係者や機関を経由しないため、取引の透明性を確保できる」と述べた。

 今回の契約で、フィリピンは5つのメーカーから計1億1300万回分のワクチン供給を受けることになる。内訳は中国のシノバック製2600万回分、ロシア製のスプートニクV1千万回分、米モデルナ製2千万回分、英アストラゼネカ製1700万回分で、これにファイザー製4千万回分が加わる。

 さらに世界保健機関(WHO)主導の途上国などにも公平なワクチン配布を行う調達枠組み「コバックス」で、比は年内に計4400万回分の納入が約束されており、比が確保するワクチンは1億5700万回分となる。

 一方、米ノババックス社と米ジョンソン・エンド・ジョンソン社からの約1600万回分はなお

交渉中だ。

 ガルベス補佐官は「ファイザー社からのワクチンは国内のワクチン接種を促進させ、年末までに集団免疫獲得という目標を実現できる。幸せなクリスマスを過ごせる」と楽観的な見通しを語った。

 ただ、ファイザー製ワクチンの保存温度がマイナス80〜マイナス60度であることから「地方自治体の準備が必須」であることも強調した。

 18日付CNNフィリピン電子版によると、今月25日にモデルナ製ワクチン25万回分が4日遅れで到着予定で、うち10万回分は民間企業に、15万回分は政府に納入される。モデルナ製が比に届くのはこれが初めて。さらに100万回分以上が7月に、200万回分が9月までに到着予定という。(深田莉映)

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