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3月31日のまにら新聞から

根付くまでの長い道のり

[ 737字|2014.3.31|社会 (society)|新聞論調 ]

包括和平合意書調印

 政府がモロ民族解放戦線(MNLF)と和平協定を結んでから18年がたち、アキノ政権がMNLFから離脱したモロ・イスラム解放戦線(MILF)との包括和平合意書に今日調印する。

 政府側交渉団は、ミンダナオ地方のイスラム教徒に恒久的な平和をもたらせなかった過去の協定の弱点を強化したと強調する。大きな違いは、MILF正規部隊の武装解除だ。今回の合意文書によると、武器は第三者機関が管理する。条件を満たす構成員は希望すれば新自治政府の警察組織に入ることができる。

 包括和平合意後の1996年和平協定の扱いについては明確にすべきだ。96年協定は、交渉を仲介したイスラム諸国会議機構とその加盟56カ国に承認されており、ミスアリ初代議長がMNLFの代表とみなされている。

 MNLFは政府とMILFの和平合意に反対し、自身らを和平プロセスの「妨害者」として無視するのは危険だと警告している。MILFは96年和平協定の「妨害者」であり、交渉までにミンダナオ地方に大きな悲痛をもたらしてきた。サンボアンガ市は依然、昨年MNLFの「妨害者」たちが起こした占拠事件から復興できていない。

 潜在的な問題の一方で、紛争地域の平和につながる進歩は国民の支持に値する。調印からバンサモロ基本法案の起草、可決、住民投票結果の批准までは長い道のりだ。違憲性を審理している最高裁の判断も合意の道筋を大きく左右する。

 96年の和平協定は、合意そのもの以上に、和平を根付かせることの難しさを示した。どんな和平合意も排他的であってはいけない。新自治政府は能力構築と組織的強化を図る必要がある。経済を動かし、雇用を生み、住民を貧困から脱却させ、平和の配当を実感させなければならない。(27日・スター)

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