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マカティのクライミング施設
首都圏マカティ市内の大型商業施設、「パワープラント・モール」の地下三階の駐車場に隣接してそびえ立つ巨大な壁。年齢・性別を問わず、平日の昼間から、この巨大壁に取り付き、よじ登る姿が見られる。周辺には高層マンションとオフィスビルが建ち並び、窓越しに岩と格闘する光景が眺められ、同モールの名所となっている。
ロッククライミング施設「PLAYING UNDER GROUND」が開業したのは約五年前。モール内で野性味あふれる運動が楽しめるとあって、買い物ついでの人や外国人らの間で評判を集めた。これに加え、夜間はライトアップされるため、仕事を終えた会社員でも気軽に立ち寄って「登れる」ことから、幅広い人気を誇っている。
そびえ立つ壁は幅十五メートル、高さ十二メートル。その表面には足場となる色とりどりの岩が取り付けられている。壁の角度や岩の配置などで初級、中級、上級の三コースに分かれる。
初級者向けといっても、真下に立ち見上げると、壁は頭上から垂直に伸び、迫力は満点。それが中級|上級者用になると、壁が内側に一〇\三〇度も入り込んでいる上、岩の配置も不規則で、これを登るのには相当の訓練が必要だ。
「手で岩をつかんでよじ登るのではなく、岩を踏む足の力を利用して体を持ち上げ、その勢いで岩をつかむのがコツ」と語るのは、クライミング歴十年で国際大会の出場経験も豊富なインストラクター、ブディー・アドビンキュラさん(34)。
好奇心と恐怖心が頭の中でつばぜり合いを始める中、ロッククライミングに初挑戦した。まずは専用の靴を履き、手の滑り止め用チョークを入れた袋を腰に取り付け、安全ベルトを腰に巻いて準備を整えた。
片足を最も低い位置にある岩の上に乗せ、よじ登り始めた。ところが、ここで恐怖心が好奇心を押しのけて頭をもたげた。「手が滑れば、体は壁を離れ、ロープにつるされ中ぶらりん状態になる」。一瞬、全身の筋肉が動きを止めた。
「下を見るな。安全ベルトを装着しているから心配ない」。体と心の微妙な揺れを察知してくれたアドビンキュラさんからアドバイスが飛ぶ。しかし、これが初心者には難しい。登る際、岩をつかもうとする手だけに頼りすぎるため、手、腕に疲労が徐々にたまり、腕にけいれんが起き始める。
それでも、「もしロープが切れたら……」との不安を何とか克服、頂点に到達すると、全身が達成感と爽快(そうかい)感に包まれた。スリル満点、まさに極限のスポーツだ。
クライミング歴三年のマイティー・チュアさん(33)=ケソン市=は週に三回通っている。「登る時は全神経を集中させる。ストレス解消、嫌な事をすべて忘れることができる」と魅力を語った。常連のクライマーは社会人が中心だが、週末になると親に連れられてやって来る子供の姿も目立つ。五歳の子供と六十五歳の高齢者が壁に挑み、よじ登る光景も珍しくないという。
比にはロッククライミング施設で働きながら国際大会出場を目指すセミプロが約二十人いる。アドビンキュラさんは、「大会出場権を獲得しても渡航費は実費。政府は支援してくれない」と、現実の厳しさを嘆く。それでもクライミングを続けているのは、自然が好きで、乾期になると毎週末リサール州へ向かい、大自然の中で岩を登る楽しみがあるからだ。(水谷竹秀)
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営業時間は午後二\同十時(土日は午前十一\午後八時)。利用料金は一時間二百ペソ。問い合わせは898・0273まで。
[ 1442字|2008.2.3 ]
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