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1月26日のまにら新聞から

副大統領優位動かず 次期大統領選

[ 745字|2015.1.26|社会 (society)|新聞論調 ]

 与党系上院議員3人は2014年8月以降、あの手この手でビナイ副大統領の汚職疑惑を追及してきたが、次期大統領選の世論調査結果を見る限り、副大統領の追い落としは困難なようだ。

 同年11月下旬から12月上旬に行われた最新の世論調査でも、副大統領の優位は変わらなかった。成人1200人を対象にしたこの調査は、さまざまな「シナリオ」を想定して実施された。

 例えば、副大統領とポー上院議員の一騎打ちになった場合の支持率は、副大統領42%、ポー議員33%、分からない24%。アキノ大統領の後継候補と目されるロハス内務自治長官との一騎打ちでは、副大統領45%、ロハス長官16%と大差がついた。

 副大統領とロハス長官、ポー議員、サンチャゴ上院議員、エストラダ・マニラ市長=元大統領=という5人の争いになった場合でも、36%の副大統領がトップ。ポー議員24%、サンチャゴ議員16%、エストラダ市長12%と続き、ロハス長官は10%で最下位に沈んだ。

 与党勢の攻撃にもかかわらず、副大統領が優位を維持できる最大要因は、「大衆」を中心とする支持層の厚さにある。国会議員の家に生まれ、富裕層の代弁者のようなアランピーター・カエタノ、ピメンテル両上院議員らがいくら疑惑を追及しようが、大衆の心には響かないのだ。その証拠に、カエタノ議員らは次期副大統領選の世論調査で下位を低迷し続けている。

 現政権・与党は副大統領に対する攻撃を諦めないだろう。上院委員会の聴聞会と並行して、副大統領寄りの新聞記者やコラムニストに対する誹謗(ひぼう)中傷、現政権寄りのメディアの保護という一手に出るだろうが、そのような「ばくち」が国民の支持を得られないのは自明の理である。(22日・トリビューン、ニネス・オリバレス氏)

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