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12月1日のまにら新聞から

世界を知る新たな手段 フェイスブック

[ 737字|2014.12.1|社会 (society)|新聞論調 ]

 私が教えているフィリピン大の学生たちは新聞を購読しておらず、テレビのニュースも見ていないと知って驚いた。では「フィリピンや世界で何が起きているのかをどうやって知るのか」と尋ねてみた。「フェイスブックで」という答えがすぐに返ってきた。

 フェイスブックは世界中に広がっており、個人的にも公共的にも、深く毎日の生活にかかわっている。ユーザーは個人のプラットフォームで10億人以上の人々を通じて世界につながることが可能だ。サイバー空間を舞台にし、中国の人口とほぼ同規模の、最大のソーシャルネットワークに成長した。

 フェイスブック創始者のマーク・ザッカーバーグさんは、自ら立ち上げた会社をもとに、世界で重要なニュースの「仕出し屋」になるというユニークな計画を実現した。フランスAFP通信は、新聞は同じ情報を読者全員に提供しているが、ザッカーバーグさんはフェイスブックで個人、友人、家族、さらにはコミュニティーや世界に向けて、情報を「注文服」のように仕立てて配るやり方に成功したと伝えた。  

 ザッカーバーグさんは「世界のだれもが参加できる完全な個人新聞」としてサービス開始し、10億人以上の人々が「どのようにニュースを受け取るのか」も知ることができる。

 心配なのは、いったん力を与えられると、メディアは情報をなんらかのかたちで操作しがちなことだ。フェイスブックでは情報の受け手は嫌なことは一方的に遮断できるし、たいしたことのない話でもわざわざ取り上げてほめそやすこともできる。フェイスブックが一つの政治信条を助長したり、ビジネス展開でユーザーを大きく動かすとは思えないが、報道の在り方に影響を与えたことは確かである。(30日・インクワイアラー、ランディ・ダビッド氏)

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