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7月21日のまにら新聞から

偽装米押収問題

[ 733字|2014.7.21|社会 (society)|新聞論調 ]

 国家捜査局は6年前、政府の指示でコメ倉庫を捜査し、国家食糧庁(NFA)の供給米2万袋(約100トン)が、商業米のパッケージに詰め替えられているのが見つかった。昨年9月にもアキノ政権はコメ買い占めへの取り締まりを指示していた。

 しかし、問題は今日も続いている。人為的にコメ不足状態を作り出し、価格を高騰させて利益を得るという陰湿な業者がいる。人口の2割以上が貧困状態にあるといわれるわが国では、コメが主食であり、深刻な問題だ。

 政府は先週、民間のコメ倉庫の一斉取り締まりを実施し、ルソン地方ブラカン州や首都圏モンテンルパ市で偽装米や買い占めを摘発した。食糧安全保障・農業近代化担当のパギリナン大統領顧問によると、摘発された業者らは政府米を取り扱う免許を持っていなかった。政府は1万5千袋の政府米と4500袋の商業米を押収した。NFAの商標が付いた空の袋や、劣化したコメの見栄えを良くする精米機も見つかっている。コメの偽装や買い占めは価格法(共和国法第7578号)で禁じられ、違反者には5〜15年の禁錮や罰金刑が科せられる。

 この摘発で、NFA職員が民間業者へのコメの横流しに関与した疑いも濃厚になった。パギリナン大統領顧問は、免許のない業者がどのように政府米を手に入れたのか、NFAブラカン事務所に調査を指示した。

 国会議員も、買い占めや不当利得には厳罰化で臨む法案を早期に可決する必要がある。長期的には、政府はコメの生産から流通にかかわる効率性の向上に力を入れなければならない。

 政府はコメの違法取引を徹底追及する姿勢を示すべきだ。家族においしいご飯を食べさせるために懸命に働く一般人を、彼らは苦しめているのだから。(15日・インクワイアラー)

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