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7月21日のまにら新聞から

災害対策の強化改善を

[ 742字|2014.7.21|社会 (society)|新聞論調 ]

 我が国の気象予報士たちは、台風グレンダ(9号)がルソン島の東海岸に上陸し、北西の海上へ抜けるまでの時間を正しく予報していた。

 我が国の災害対策は発展途上にある。グレンダは首都圏を襲い、広い地域に大雨をもたらした。特に首都圏北部は洪水には弱く、大幅に遅れている洪水管理プロジェクトの完成が待たれるところだ。

 グレンダの猛威は、交通を遮断したり、倒木が民家や車を押しつぶしたりする被害をもたらした。環境天然資源省は台風時には、折れたり、倒れたりした樹木を安全に撤去する方法を提供することで、地域を助けることができる。

 未曾有の災害をもたらした昨年の台風ヨランダ(30号)は、気象警報や災害対策がどれだけ大切かを示した。多くの地方自治体は人々の生命だけでなく、住民の財産やインフラ、農作物などを守る手段を講じてきた。

 しかし、避難時の手順や必需品などの備蓄の面では、まだ改善できることが残されている。ヨランダの後は、台風襲来時には自宅を出て避難することがより一般的な心構えになってきたが、まだ避難を拒む人もいたという報道がある。自治体は住民を強制避難させる条例を作成するのがいいだろう。

 住民が避難すれば、自治体は避難所の準備を進めなければならない。病気がまん延しないだけの十分なスペースのほかに、十分な数のトイレ、料理や洗濯に使う水も必要になってくる。また空き巣から民家を守るための手段も講じなければならない。空き巣への不安が、台風時に避難を拒む理由となるからだ。気象庁によると、グレンダは今年襲来した最も強力な台風だった。首都圏に甚大な被害をもたらした台風ミレニオやオンドイほどではなかったが、強い台風が来る前に、災害対策を強化し、改善すべきだ。(17日・スター)

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