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6月28日のまにら新聞から

新たな視点で洪水対策を 雨期への備え

[ 620字|2020.6.28|社会 (society)|新聞論調 ]

 例年、6月になると、雨季の問題がクローズアップされる。しかし、国民の関心は新型コロナウイルスの感染者や死者に集中しており、他の問題は取り上げられにくい。

 19日に首都圏ケソン市のジョイ・ベルモンテ市長が、雨季に予想される洪水への備えを強化するガイドラインをコロナウイルスに関連する形で発表したことを我々は歓迎する。

 同市の災害対策本部は、洪水が発生しやすい地域をすべてリストアップし、学校や屋根付きのバスケットボールコートなどを避難場所に定めた。同市ではタタロン地区が雨季が始まると最初に洪水が発生する場所だという。

 首都圏全体では、マニラ、カロオカン、マラボン、マリキナ、ナボタス、パサイ、パシッグ各市の一部が洪水の危険性が最も高いと指摘されている。洪水の原因は大雨や低い地形だけでなく、都市の無秩序な拡大や人口の増加にもある。

 ベルモンテ市長が出したガイドラインには、新型コロナ感染防止に向けて、今年後半に取るべき予防策まで含まれている。例えば、コロナ感染者やその疑いがある者は避難時には他の人々とは別に搬送し、避難所でも物理的距離を維持するよう呼び掛けている。避難を誘導する者には事前に個人用防護具が行き渡るよう準備するとしている。

 今年も雨季がきた。多分数年間は続くであろうコロナの脅威から本当の意味で身を守るには、日頃から、あらゆる災害の対策を講じ、新たな視点を育むことが必要だ。(24日・マニラブレティン)

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