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1月5日のまにら新聞から

一貫性がないことで一貫 ドゥテルテ政治

[ 636字|2020.1.5|社会|新聞論調 ]

 ドゥテルテ大統領は、同じような状況で常に同じようにふるまうとは限らず、発言や行動を予測しようとする人々にとっては不可解だ。これは意図的なのか、あるいは政治的定見を持ってないゆえか。それとも、単に物事を覚えるのに苦労しているからか。

 大統領は「独立した外交」を目指し、フィリピンの長年の同盟国・米国などから距離を置き、共産主義の中国に傾いた。ロシアとの緊密な関係も進めた。

 大統領は米国に近すぎることの有害さを学び、「新植民地主義」と決別しなければならないと考えたようだ。そして、中国から援助や融資を引き出したが、借金を通じて今度は中国に支配される懸念が生まれている。

 最近では、首都圏の水道事業をめぐり、シンガポールの仲裁裁判所の判決の公平性に疑問を呈し、軍による水道事業管理にまで言及した。ドゥテルテ氏の選挙キャンペーンに貢献した億万長者に首都圏の水道事業を買収させる可能性もある。

 大統領は放送局ABS─CBNの免許更新には当初関与しない姿勢を示していたが、最近の声明でABS─CBNを所有するロペス家に放送局の売却を迫っている。

 一貫性に欠けることで一貫している大統領は、古いオリガーク(寡頭支配者)を駆逐し、大統領に近い者による新しいオリガークに入れ替えようとしている。

 長い政治家としての経験を持ちながら、大統領はなお道徳的原則を模索中のようだ。道に迷う前に正しい方向性を見つけることを切に願う。(2日・スター、フェデリコ・パスクアル)

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