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1月3日のまにら新聞から

比司法制度を理解せよ 米上院議員のデリマ議員釈放要求

[ 775字|2020.1.3|社会|新聞論調 ]

 リーヒ米上院議員がこのほど、比政府に対し、米国民に対するビザの取得を義務付けたりせずに、拘置中のデリマ上院議員を直ちに釈放するよう求めた。デリマ議員は2017年2月に麻薬取引容疑で逮捕され、18年以来、モンテンルパ地裁で裁判手続き中にある。この手続きは何度も延期になっているが、国内司法システムの状況を考えると特段に異常なものではない。

 リーヒ、ダービンの米上院議員らはデリマ議員が正義と人権を代表する人間だと信じ、20年度米予算法案に彼女の収監に関与した比政府関係者の米国入国を禁じるという条項を盛り込んだのだ。ドゥテルテ大統領は報復として、両議員の比入国を禁じ、米国民へのビザ取得を義務付けると述べた。これにリーヒ議員は不快感を表明、「不合理にもビザ支給を拒否すると脅すよりも、デリマ長官を即座に釈放するか公正な裁判を受けさせるべきだ」と応じた。しかし、そうすることで彼は比の司法制度に関する自身の無知をさらけ出したといえよう。

 ゲバラ司法長官はデリマ議員が釈放されるのは裁判所による無罪放免によってのみであり、米国議員らによる圧力ではないと突っぱねた。比国の憲法や刑事裁判手続きは米国の法律に則ったものであり、比最高裁もデリマ議員に対する起訴を支持し、本人も公正な裁判を受ける権利を享受していると。

 もしデリマ議員自身が現在の司法制度によって権利を侵害されていると感じるのであれば、自分がかつて司法大臣だった時に、アロヨ元大統領を4年以上にわたり略奪罪で収監してきた際に同じ制度を利用したことを思い出す必要がある。アロヨ元大統領に対する略奪罪容疑は結局、裁判では証明できず、国連も元大統領の収監は国際法に違反し、恣意的な長期拘留だったと指摘している。リーヒ上院議員は声明を出す前にもっと事実を確認すべきだ。(12月31日・スター)

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