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12月29日のまにら新聞から

チャリティー精神は家から 職場環境を整えよ

[ 641字|2019.12.29|社会|新聞論調 ]

 国が多くの問題を抱えていても、フィリピン人の心にはクリスマスの時期とともに、暖かい明かりが灯される。クリスマスは特定の宗教の枠を超えた感謝祭だと言っていい。飾り付けの準備、友人や親族との時間、プレゼントの交換、新しい服の購入……。いずれにも誰もが心躍るだろう。

 この時期は渋滞や公共交通の不便さ、タクシー運転手のわがままといった問題にも、多少は我慢できる心のゆとりもできる。

 会社に雇われている人にとってこの時期、最もうれしいのは13カ月給与だ。法律は毎年12月24日までに、この特別給与を支払うよう企業に命じている。最もこれは「最低限の額」で、業績が伸び盛りの会社や社員に優しい企業は、追加の金額も与えてくれる。良心的な雇用主の下でこそ、働く人間は自分自身や家族の生存を支えていくことができるのだ。

 雇用者に必要なのは、働く人々の役職に関係なく、不正があれば公正・適切に処分し、セクハラや不当な扱いを受ける者がいない職場環境を作り出すことだ。被雇用者は日々の仕事が将来への展望に繋がるからこそ、労働の意義と感謝を見出していく。雇用者は、困難を抱えつつも働く「最良の財産」の声と鼓動に耳を傾けることが求められる。

 私たちは一番近い人の前でこそ、本来の自分でいることができる。自らがどういう人間なのかは、日々接する相手によって自然と決まってくる。居心地が良い企業では、人は自然と優しくなる。「チャリティー」精神は本来、家から始まるものだろう。(23日・スタンダード)

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