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11月29日のまにら新聞から

テクノロジーとの正しい付き合いを フランシスコ教皇のメッセージ

[ 766字|2019.11.29|社会|新聞論調 ]

 タイは仏教徒が多数派の国だが、カトリック指導者のメッセージが人々の共感を呼んだようだ。タイでの4日間の滞在中、フランシスコ教皇は若者たちに対し、テクノロジーの誘惑と陥穽(かんせい)への注意を促した。

 「我々は、人々の関心を得るために競い合う世界の声に揺り動かされやすい」「興味をそそり、魅力的に聞こえるこうした声は、長い目でみれば、あなた方を空虚で退屈、孤独で幻滅に満ちた気持ちにさせるだろう」「急速なテクノロジーの発展は生活を便利にする大きな可能性があるが、消費至上主義や物質主義の拡大という結果をもたらすこともありうる」 こういった言葉を教皇はタイで残した。

 フランシスコ教皇は、抑圧された人々への積極的な関わりばかりでなく、若い世代にカトリックの教えが受け入れ続けられるように取り組んでいることでも知られている。

 教皇のメッセージはタイの40万人に満たないカトリック信徒にのみ向けられたものではない。

 カトリックであれ他の宗教であれ、世界中の若者は、日々の生活を導くテクノロジーがなかった時代を体験していない。例えば、ソーシャルメディアは、他者の生活の一番良い部分を垣間見させるものであり、自分が何者であるか、自分は何を持っているかについて人々に不満を抱かせてしまう。

 フランシスコ教皇からのメッセージは、82歳の宗教指導者からの表面的な注意ではない。我々がどのように目的と手段を区別しうるかについて深く考えさせられる言葉だ。

 テクノロジーは、人々が人生のより大切な側面に集中できるよう、さまざまな仕事をやりやすくしてくれるべきものだ。教育者や親たちは、もし次世代を良くないと思う方向に進化させたくないならば、信じる宗教にかかわらず、教皇の呼びかけをよくよく思い起こすべきだ。(24日・スタンダード)

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