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12月7日のまにら新聞から

作戦計画と工程表を提出せよ 国軍の戒厳令延長勧告

[ 790字|2018.12.7|政治|新聞論調 ]

 国軍と警察のトップらがミンダナオ地方における戒厳令の1年延長を勧告した。その要請に対して議会は憲法の条項に照らして十分慎重な議論を行うべきである。さもなければ、国軍や警察は安易に同じ手段に訴えかねないからだ。

 そもそも2017年5月にマラウィ市がマウテやアブサヤフのテロリストたちに占拠された際に大統領が出した大統領布告令216号による戒厳令は60日の有効期限だった。マラウィ市の奪還作戦が長引いたため戒厳令が17年末まで延長。この措置は最高裁も合憲と認めた。そして17年末が近づくと、テロリストを追及するための法的保護の枠組みが必要とする国軍の声に呼応して議会がさらに2018年末までの延長を認めたのだ。

 そして、その期限が近づくとテロリストを壊滅させるためさらに1年間の延長が必要だと国軍が主張している。しかしマラウィ占拠がもう歴史の一部となった今、国軍や警察が戒厳令を便利な道具として手放せないのではないかという印象を人々に与えている。ミンダナオ全域が戒厳令の対象となっているほか、16年後半にはダバオ市での爆破事件を受けて全土に緊急事態も宣言されているのだ。こういった法的後ろ盾を得ながらも国軍や警察はミンダナオからまだテロ組織を一掃できていない。さらに1年延長しても望むべき結果が得られる保証はない。

 国軍は、議会に対し戒厳令を延長するのを正当化するためにこれまでとは違うより効果的な作戦計画を提出すべきだ。国民の権利や移動を制限する戒厳令は最後の手段として扱われるべきである。もしミンダナオに戒厳令を継続する新しい根拠があるのなら、国軍は正直にそのような根拠に基づいて新たな大統領布告令を出すよう勧告すればよい。国軍と警察は戒厳令延長という便利な隠れ蓑に逃げるのではなく、作戦計画とその実現までの工程表を議会に対して真摯に説明すべきだ。(5日・タイムズ)

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