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10月12日のまにら新聞から

比の世論調査も最良実践を 大統領の支持率調査

[ 777字|2018.10.12|社会 (society)|新聞論調 ]

 わが国の調査業界は、大統領に関する世論調査について、世界的な基準に則った最良実践を採用すべきだ。

 現状では、ドゥテルテ大統領の職務遂行能力ついて、フィリピンで最も有名な世論調査機関ソーシャル・ウェザー・ステーション(SWS)による満足度調査とパルス・アジアによる信頼度調査ばかりが目につく。いずれも世界基準からかけはなれた、独特の世論調査だ。

 大統領の支持率調査は、米国で1920年代後半にジョージ・ギャロップによって導入され、多くの国々がこれを採用するようになった。例えばこんな質問が典型的だ。「ドナルド・トランプの大統領としての職務遂行能力を支持するか?あるいは不支持か?」米国の代表的な世論調査会社ラスムッセンや、他の15の米国の調査機関でも、ほぼ同じ質問で同一の調査を定期的に行なっている。

 比では、SWSが9月に行なった世論調査の結果を発表した。SWSが1500名の回答者にした質問はこうだ。「ロドリゴ・ドゥテルテが大統領として職務を遂行するやり方にあなたはどの程度満足しているか、あるいは満足していないか教えてもらえますか?完全に満足、ほどほどに満足、どちらともいえない、どちらかというと不満足、あるいはまったくの不満足のいずれですか?」

 SWSが尋ねているのは支持率ではなく満足度である。満足は支持と同義ではない。われわれは食事の後には満足度について語るが、公人の職務遂行能力という文脈で満足度を使うのは深刻な間違いである。

 もう一方の代表的調査会社であるパルス・アジアも、世論調査に関して最良実践からはかけ離れている。同社の調査はいわゆる大統領への信頼度調査だ。

 なぜわが国の調査会社は「ドゥテルテ大統領の職務遂行能力を支持しますか、あるいは不支持ですか」と市民に尋ねることができないのだろう?(9日・タイムズ)

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