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9月7日のまにら新聞から

国家食糧庁はもう終わりだ コメ不足と米価高騰の原因

[ 794字|2018.9.7|社会|新聞論調 ]

 国家食糧庁が、端境期における米価と安定供給のために十分なコメを買って備蓄するという役割を果たせないのはなぜか。その理由は三つある。まず、コメ調達に充てられるべき予算が同庁の負債返済に回されていること。次に、同庁のコメ買入価格がキロ当たり17ペソと魅力がないこと。そして、調達ルールが非常時に役に立たないほど時代遅れになっていることが挙げられる。

 まず三つ目の理由についてだが、同庁の調達ルールには大きな問題が二つある。一つはコメを売る農家が同庁の買入センターに自らコメを持って行く必要があること。もう一つはそこでの支払いが小切手になっていることだ。現在の市場競争原理の社会では場所がとても重要だ。近所に民間のコメ買入業者がいるのに、なぜ離れた場所にある同庁のコメ買入センターに運び入れる必要があるだろうか。民間の買入業者の価格がキロ当たり50センタボほど政府買入価格より低くかったとしても農家は運賃のかからない近くの業者に売る。また、同庁の買入センターではコメの支払いは現金ではなく、小切手というのも問題だ。普通、小切手で支払うような民間の業者はいない。

 同庁のコメ買入価格も魅力なしだ。昨年の収穫期における民間業者のコメ買入価格は1キロ当たり最高22ペソだった。当然、農家はコメを民間業者に売るはずで、今年の収穫期も同様なことが起きた。同庁は過去2回の収穫期にコメを必要な量だけ買い入れることができなかった。

 そして最初の理由だが、同庁の調達予算50億ペソの多くが負債返済に回されたというのは弁護できない大失態の政策方針だ。これら三つの理由すべてが、国の根幹である主食のコメを扱う政府機関の失敗と時代遅れを露呈している。このつけはコメ不足や米価高騰をもたらし、貧困家庭を直撃する。この三つの理由だけですでにこの機関は終わっている。(5日・タイムズ、マーレン・ロンキーリョ)

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