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8月17日のまにら新聞から

国家レベルでの対話を 連邦制より公平な社会の実現を

[ 785字|2018.8.17|社会|新聞論調 ]

 上院で、ドミンゲス財務長官とペルニア国家経済開発長官が連邦制への移行は「破壊的」だと言及して以降、「破壊的」が流行語だ。連邦制は新しいテクノロジーとともに「破壊的な」イノベーションだと人々に考えられるようになった。

 オンラインバンキングやソーシャルメディアといったテクノロジーは、既存の市場を破壊しビジネス界やライフスタイルを変えてきた。より新しいテクノロジーである人工知能や自動運転、3Dプリンターや仮想現実などの足音も聞こえてきた。我々の関心は、これらの「破壊的」イノベーションをどう管理し、国家のまとまりをつくるかだ。

 比開発学研究所のマナンサン博士は、上院の聴聞会で連邦制移行の経済的コストについてデータを示した。ペルニア長官はその2倍と見積もった。ドミンゲス長官は、連邦制移行が多額の財政赤字を招き、経済成長の足かせとなるとしている。信用格付けが「地獄に落ち」、その結果、国民が「6%の金利を払うはめになる」とまで述べた。ラクソン上院議員は、上院が連邦制を葬り去るべきだと述べた。

 私たちはインフレや失業、犯罪や暴力、人権抑圧など、連邦制より優先的に取り組むべき事があると言い続けてきた。成長の利益が少数に集中した結果、格差も拡大した。この国のがんは、資本主義の過度な進行、政治家一族や為政者の正統性のない権力の乱用、持てる者と持たざる者の格差の拡大である。この状況に人々はさまざまな方法で不満を表明しているが、目指すゴールは同じ。全ての人が尊厳を保てる、より公正でやさしい社会である。

 こうした社会への転換は容易ではない。信頼と忍耐に基づく長い話し合い、全ての人々を巻き込んだ国家レベルでの対話が必要である。ミンダナオの和平プロセスのように何十年もかかりうるが、私たちは今始めなければならない。(11日・ブレティン、フロランゲル・ブライド)

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