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8月5日のまにら新聞から

NGO報告でアジア最多 環境活動家殺害

[ 658字|2018.8.5|社会|新聞論調 ]

 英国を拠点にする国際非政府組織(NGO)「グローバル・ウィットネス」はこのほど、昨年のフィリピンにおける環境活動家の殺害数が48人で世界で2番目に多かったと発表した。東南アジアで見ると、比は最多で、農業環境保護や鉱山開発反対を主張する農家、活動家への圧力の強さを物語る。

 報告書によると、国軍兵士が殺害事件の56%に関与しているほか、地域別では資源が豊富なミンダナオ地方での殺害が全体の67%を占めた。この二つの数字は、問題の焦点を象徴している。同NGOは、世界各国での環境活動家殺害について統計を取っている。比は前年比71%増と大幅増加した。報告書は「反人権主義のドゥテルテ大統領による、ミンダナオ地方での国軍プレゼンス増強」が要因と指摘している。

 大統領は土地160万ヘクタールを大規模農園に割り当てるとの宣言も行った。活動家や農家からの反発は必至で、事態は悪くなるばかりだろう。

 殺害事件の中で、同NGOが問題視するのは、共産勢力と国軍兵士に「誤認」されて殺害されたミンダナオ地方南コタバト州レイクセブ町の先住民8人。さらに昨年4月にルソン地方カガヤン州で殺害されたマーク・ベントゥラ神父だ。神父は同州内で活発に鉱山開発に反対する活動を行っていた。

 国際社会からも注目を集める違法薬物撲滅政策の容疑者殺害も、多くは未解決のまま葬られる。環境活動家殺害も同様だ。2018年の殺害数報告で、比が殺害数世界最多とならないように、この問題に対策を講じていかなければならない。(2日・インクワイアラー)

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