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7月20日のまにら新聞から

効率的な渋滞対策を 違法駐車取り締まり強化

[ 759字|2018.7.20|社会 (society)|新聞論調 ]

 今、この都市の路上で新たなテロが始まったが、この手のテロは歓迎できるものだ。首都圏開発局が進めている路上の違法駐車の取り締まり作戦だ。同局は最近、5日間に平均100台の車両をレッカー車で撤去しているという。路上を駐車場として使っている車の所有者にとっては好ましくない撤去作戦だが、一般の通勤・通学者にとっては好ましい。

 元国軍幹部のリム局長が就任して以来、同局は違法駐車に容赦しない方針を維持している。首都圏の渋滞解消のために公共事業道路省は、道路の拡張事業や高速道建設を進めているが、路上駐車の取り締まりも一役買うと思われる。違法駐車した者に対して1500ペソから8700ペソまでの罰金を科しており一定の効果を上げている。

 首都圏の渋滞は効率的な鉄道システムがないことが最大の要因だ。通勤や通学のために駐車場がなくてもまず車を買う。富裕層だけでなく中流階級の家庭もナンバープレートの末尾規制があるため、最低2台の車を購入する。こうして車の数が増え、駐車場の確保はますます難しくなる、また、ショッピングモールが幹線道路沿いに建設されていることも渋滞に拍車を掛けている。地方自治体首長が幹線道路沿いにモールを建設するのを許可するのは、賄賂をもらっているからだろうか。

 米国や欧州ではモールやイケヤなどはいずれも幹線道路から離れている。ロンドンでは商業中心地に入る車両から特定の金額を徴収している。しかし、人々はその中心部にタクシーや2階建てバス、地下鉄で簡単に行ける。また日本や欧州ではバスや鉄道が時間通りにやってくるため、時計もその時刻に合わせて設定できるほどだ。長時間通勤する市民たちは無能な国の指導者たちの作り出した生活環境に我慢するしかないのだ。(18日・スタンダード、アレハンドロ・デルロサリオ)

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