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4月8日のまにら新聞から

ニーズに合った復興を マラウィ市再建

[ 640字|2018.4.8|社会 (society)|新聞論調 ]

 上院は先日、マラウィ市の戦闘に関する聴聞会を同市で初めて開いた。政府機関の代表者や筆者を含む利害関係者が招かれ、戦闘の理由や内容ではなく、復興計画について話し合われた。予想通り、住民からの質問攻めで苦しい立場になったのは、マラウィ復興特別委員会(TFBM)のデルロサリオ委員長だった。

 聴聞会に出席したマラウィ市民の感情は、過激派と国軍のせいで血に染まっているようだった。出席者の中には痛みを癒やすためか、涙を流し当局を激しく非難する者もいた。

 ガチャリアン上院議員はTFBMが真摯(しんし)に聞くべき賢明な意見を述べた。利子3%以下の10〜15年間の融資パッケージと各世帯ごとの再建プログラムを提案、住民の被害の程度は異なっており、さまざまなニーズを持つと正しく指摘した。

 筆者は政府が重要な点を見逃していると強く主張した。官僚は公共インフラ再建を話すが、破壊された政府機関の建造物はほとんどない。橋は破壊されていないし、多くの学校は修理可能だ。住民の住宅や財産は破壊されたが、これらをどう支援するか具体的な青写真はない。

 筆者はまた、被害を受けた住民への金銭的補償を第一に考えているかを尋ねた。仮に国家の免責を認めても、被害者を補償する道義的義務がある。政府は国民を守ることに失敗したのだ。復興が遅れるほど住民の怒りは増幅する。私たちは国家経済開発庁がいつ復興計画を大統領に提出するかすら知らない。(4日・インクワイアラー、マカバンキット・ラント元下院議員)

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