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12月10日のまにら新聞から

基本法の早期成立を ミンダナオ和平

[ 646字|2017.12.10|社会|新聞論調 ]

 「マラナオ人にマラウィを再建させよう」──。国際協力機構(JICA)とアテネオ大学が主催したミンダナオの和平プロセスに関するフォーラムで聞かれた呼び掛けは、中央政府とルソン地方を拠点とする政党などが、地元住民を無視して都市の未来を描くことに異議を申し立てた。

 「ミンダナオ問題」の複雑な力学は、数十年にわたり、国家建設と発展にとって最も困難な課題となっている。ビジョンを策定するのが簡単な一方で、最終的な目標は達成しづらく、目標への道のりを決定することは非常に困難だ。

 過去においてはミンダナオ紛争の根源は貧困であり、開発の遅れという言説が一般的だった。1990年にはラモス政権がミンダナオ地方へのインフラ支出を3倍に増加させた。これによりミンダナオ地方の経済統合が実現し、首都圏とビサヤ地方の衛星経済としての機能から独立、経済発展はミンダナオ問題に対処するための重要な推進力となった。その一方で、問題の根源はさまざまな形での不公平だと後に分かる。イスラム教徒のバンサモロや先住民の政治や経済、社会生活からの排除だ。伝統や習慣への抑圧、国軍や政治家による人権侵害も横行する。

 政府とモロ・イスラム解放戦線との包括的合意と、バンサモロ基本法はそれらの不公平に対処できるはずなのに、それらが前に進まないこと自体に、多くの市民が不公平さを感じている。連邦主義はバンサモロ基本法を補完するものに過ぎない。過激主義の台頭が脅威となる中で、政府にはもう時間がない。(8日・インクワイアラー)

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