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11月10日のまにら新聞から

被害者に勇気を与える 米セクハラ被害女優たちの告発

[ 738字|2017.11.10|社会|新聞論調 ]

 最近、米映画界の大物プロデューサーに対し著名女優たちが数十年にわたるセクシュアルハラスメントの被害を申し立てた。彼女らの告発により類似した性的暴行の供述まで大量に出てきた。グウィネス・パルトロウやアンジェリーナ・ジョリーも被害者だった。

 遅きに失したが、このプロデューサーは自らが犯した罪のつけを払うことになった。会社をクビになり、妻は去った。米プロデューサー組合も彼を終身追放とした。ドミノ効果も生み、エンターテインメント業界以外に政治やメディアにおいて、国境を超えて、男女両性とも被害について声を挙げるよう勇気づけられた。

 一方、フィリピンでは、セクシュアルハラスメントの摘発は極めて稀で、たいてい処罰されないで終わる。告発者が貧しかったり、衆目を集める前に和解に持ち込まれたりするためだ。2003年にはテレビ中継中に、ある市長が元大統領の娘である同居パートナーに性病をうつし、さらに銃で脅したと告発されたが、何も起きなかった。また、1982年に14歳の新進女優が3人の人気テレビ司会者を告発した時にも何も起きなかった。3人のうち一人が、彼らが公式謝罪を発表すること?彼らは実際にそうした?と引き換えに、彼女に告訴の意思がないと宣誓書に署名するよう「話した」ことも分かっている。

 その新進女優は、3年後に首を吊って亡くなっているのが発見された。警察は自殺と断じたが、彼女が口封じのために殺されたとのうわさはまだ続いている。そのコメディアンらのうち2人はまだ現役で、一人は上院議員にまでなった。

 今回の女性たちの名乗り出は、セクシュアルハラスメントや性的暴行の被害者が権力を持つ加害者の男性に対し声を挙げるよう勇気づけるものとなろう。(6日・スタンダード)

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