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5月7日のまにら新聞から

虐待行為が常態化 隠し拘置部屋

[ 718字|2017.5.7|社会|新聞論調 ]

 善意の協力によって、フィリピン人権委員会は、首都圏マニラ市トンド地区の首都圏警察マニラ市本部第1分署の隠し拘置部屋を見つけた。警官たちが収監者に対し、この「地獄部屋」から出すかわりに、金銭を要求したとの証言によって、ドミンゴ分署長はすぐに懲戒免職となった。

 拘置部屋は違法薬物取締班の部屋の裏に隠されていた。換気口はなく、横1メートル、縦5メートルの広さしかない。入り口は本棚でさえぎられ、人権委が先週木曜日に視察した際には男女12人が収監されていた。男女は数日間にわたってこの場所に入れられていたという。

 ドミンゴ分署長のほか、12人の警官らが懲戒免職となった。だが、この結果にも関わらず、デラロサ国家警察長官は、拘置所がいっぱいだったため、収監者をほんの1日だけ部屋に入れたのだと主張する。同署の拘置所の収容人数は男性40人、女性10人だが、人権委の視察時は男性87人、女性15人が収監されていた。

 困ったことに、薬物犯罪の容疑者が次々と検挙されるにつれ、警官による収監者たち、特に容疑が固まっていない検挙者への虐待行為が常態化している。拘置部屋の12人は取り調べを受けていなかったようだ。

 少なくとも四つの国際条約にのっとり、フィリピンは数年前、監禁部屋と同様、隠し拘置部屋を廃止した。収監者が隔離、監禁されることはもはやない。共和国法と改正刑法は拷問や非道な罰を禁じている。

 国家警察が違法薬物との戦いに際し必要とする民衆の支持は、今回の虐待行為によって損なわれてしまうだろう。国家警察にとって隠し部屋を維持するのが当たり前であるはずがない。拘置施設の収容力増に向けても尽力する必要がある。(2日・スター)

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