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5月16日のまにら新聞から

課題は外交政策

[ 712字|2016.5.16|政治|新聞論調 ]

 大統領選が終わった。もはやどうあがいてもミンダナオ地方ダバオ市のドゥテルテ市長が6月30日に大統領に就任する。公約は実現するのか否か。

 市長によるダバオ市の治安改善は6カ月以内に成し遂げられたわけではない。故に「6カ月以内に犯罪組織撲滅を図る」とした強気の公言は国政と市政を勘違いしているようだ。

 閣僚人事では、ペアを組んだカエタノ上院議員(副大統領選で落選)の外務長官任命案が浮上している。残念ながら同議員は、政敵を批判する以外、何の取りえもない。外交に関する知識もなければ、各国との交友関係もない。

 実施予定の主な政策は(1)全国で禁酒(2)午後10時以降の夜間外出禁止令(3)公共の場所での禁煙(4)自動車の制限速度30キロなどで、いずれも全国区での実現可能性は著しく低い。

 まずは禁煙について。一部の飲食店やホテルなどでは喫煙所が設置されており、喫煙が違法ではない事情からも不可能だ。制限速度30キロを本当に実施すれば首都圏の渋滞はさらに深刻化し、国民から恨まれる。禁酒制度においては酒場や娯楽施設を閉鎖に追い込むらしい。ミンダナオ出身の大統領とはいえ、フィリピンは酒が飲めないイスラム教国ではない。夜間外出禁止令に至っては、戒厳令を発令しない限り無理だ。しかも非常事態が起きない限り発令できない。市長はこれらを地方行政ではなく、国政で実施しようとしているのだ。

 最大の問題は外交政策だ。市長も側近も精通していないため、外交の場で適切かつ慎重な発言は望めない。

 同市長は別人を装って仮面をかぶっているが、そのうち化けの皮がはがれ、本性を現す。(13日、トリビューン、ニニェス・オリバレス氏)

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