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1月11日のまにら新聞から

労働人口と成長 比の経済見通し

[ 728字|2016.1.11|経済|新聞論調 ]

 フィリピンの経済状況はすべて、国際的な文脈に組み込まれている。世界経済は現在、中国や欧州といった経済大国・地域で長期的に続いている経済鈍化に悩まされている。国際通貨基金(IMF)は、2016年の世界の成長率を15年からやや回復すると予測しているが、現実を見れば、今後も後退を続ける見込みが高い。世界経済の鍵を握る中国は15年の第3四半期に08年の世界金融危機以来、初めて成長率7%を割った。

 調査会社アジアン・センチュリー・インスティテュートのジョン・ウエスト所長はより長期的な視点で経済をみている。同所長は現状を「アジア大国の景気後退期」のただ中にあると指摘、この景気後退期は老齢人口の増加と、生産性向上のための構造改革が進んでいないことに起因しているとした。中国の場合、数十年間の「一人っ子政策」によって、12年に労働人口がピークを迎え、それ以降は下降していると同所長はみる。経済後退が続くのは中国だけではない。日本の労働人口は95年ごろから減少し始めているし、韓国でもそうだ。タイやシンガポール、台湾といった高成長国・地域でも起きつつある。

 こうしたアジアの傾向に反し、比やインドネシア、インドといった一部の国では逆に、若年人口の増加が顕著だ。しかし、これは単に人口ボーナス期に入っているだけかも知れない。ウェスト所長は、各国が人口増を生かせるかは、若年人口の生産性向上のために十分な経済投資を行い、雇用創出のための構造改革を実行できるかにかかっていると断言する。

 16年の比の経済状況は明るいし、それ以降もより良くなるだろう。しかし、それが本当に実現するかは、あくまでも我々の行動次第だ。(5日・インクワイアラー、シエリト・ハビト氏)

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